岡 田 自 観 師 の 論 文 集  発行誌別

笑の泉

笑の泉

昭和26年 1月30日発行
B6版   115P 
    非売品

著者  自  観


発行人 小山正男

発行所 栄光社出版部

 笑い冠沓句集。明烏阿呆名義、奥付では著者「自観」になっている。

巻頭序句
  世の中の空財布みなづつしりと 金貨をつめてやりたくぞ思う

はしがき
 今日本の社会、いな日本人に最も必要なものは、何であるかというと、それは笑いであろう事は、心あるものの等しく唱えるところである。見よ、税金苦、食糧難、住宅難、物価高、金詰り、犯罪激増、病気の氾濫等々、宛然(さながら)地獄図絵といってもいい。又昔から笑う門には福来ると言われる通り、近頃のように湿っぽい陰気なこの娑婆では、好い事など来そうもない。故にこんな陰欝な空気は元気よく笑の爆発で、一遍に吹っ飛ばしてしまう事だ。という訳で、この著を刊行する事になったのである。読者諸君よ、一読大いに笑え! 三読羽目をはずせ!笑って笑って! 笑い抜いて! 天国を造るべきだ。笑いは天国の花というじゃないか。
 これは私が二十数年前、冠句の宗匠をしていた頃、笑冠句の会を作り、沢山の集句の中から選んだもので、それを又今度再選し筆を加えたものであるから、いずれの句も珠玉のみといってよかろう。
  昭和二十五年十月       編者識