豚に真珠
『救世』57号、昭和25(1950)年4月8日発行
よく昔から、豚に真珠という言葉があるが、その通りの事が平気で行われている、その事をかいてみよう。
ここに一人の人間があるとする、その人は、病気とか災難とか、とにかく不幸に苦しんでいる場合、たまたま本教の話をするや、飛付いて直ちに入信し救われる人もあり、何だ彼んだと反対を唱えたり、疑いながらともかく病気を治してもらいたいと浄霊を受け治った事実に驚いて入信する人もある、これらの人は前者は上魂であり後者は中魂である、ところが世の中には下根の人も沢山いる、むしろ一番多いかも知れない、こういう人にはいくら説明しても奇蹟をみせても頑として信じない、いかに骨折っても無駄である、こういう人に入信を奨める事を豚に真珠というのである、従ってこういう人には、一応の話をしてその態度で判断をし、下根の人と知れば諦めた方がよいのである、見込のない事に骨折る事は時間と努力の浪費に過ぎない、はなはだ非能率的であるからである。