脚気とバセドー氏病
『天国の福音』昭和22(1947)年2月5日発行
脚気も日本人特有の病気で、原因は医学で唱うるごとく、白米中毒である事は間違いない。故に療法としては糠を、食後茶を飲む時、普通匙に一杯位 服用すれば、大抵は一週間位にて全治する。また副食物を多く摂る事も効果がある。昔から脚気は坊ちゃんやお嬢さんにはないが、小僧や下女に多いという事実 が証拠立てている。しかしながら注意すべき事は、医診における脚気はそのほとんどが誤診である。それは医診は脚気の麻痺または歩行に支障ある時、すべて脚 気と断定する事である。しかるに真症脚気の特徴としては膝下前面内側、俗に向う脛の反対側と掌の拇指の付根及び下唇の三個所の麻痺である事を知っておくべ きである。誤診による擬似脚気は、原因は腎臓の余剰尿及び注射の薬毒等である。本施術によれば真症脚気は二、三回、擬似脚気も数回にて全治するのである。
バセドー氏病は、医学上甲状腺の疾病とされている。すなわち咽喉前面外部が腫脹するのであるが、軽症は軽微な咳嗽とその部の不快感位で、人により気の付か ない場合もある。重症は強烈なる咳嗽、吐痰または白色の小粒物や泡沫等の液を排泄する。この病気の特徴としては眼球の飛出す事である。末期に到るに従い、 心臓障碍を起し、脈拍不正〔整〕、呼吸困難、食欲減退等に陥り、衰弱死に到るのであって本医術によればよく全治する。またこの病気は婦人に多きため、妊娠 の場合、医家は危険ありとなし、人工流産を行うが、私の経験によれば危険等は更になく、正常に出産するのである。