結論
『自然農法解説』昭和26(1951)年1月15日発行
以上、あらゆる角度から説いたに見て、本農法がいかに優越せるかは、読者諸君は最早充分理解されたであろう。要するに本農法は、在来の根本的に誤っていた方法を革正し、行詰ってどうにもならない現在の食糧難を解決し、暗黒無明の農業界へ、天日のごとき光明をなげかけるという以外他意はないのである。
この意味において、これを本教の宣伝に利用しようなどの意図は毫(ごう)もなく、信者たらずといえども、何人も実行すれば、大増収を得らるる事は言をまたないのである。従って、未信者である普通農民が本農法で栽培するとしても、左のごとき結果を得らるる事は確かである。
一年目 平年作または一、二割増
二年日 二割ないし三割増
三年目 三割ないし五割増
四年目 五割以上増
右の数字は、内輪に見積ったのであるが、それでも真実とは思えない程の成績であろう。もちろん今日までの実験によって、割出したものであるから間違いはない。ところがこれだけではない。増収以外有利な点を挙げれば、第一肥料代は零(ゼロ)となり、虫害や水害による被害高も何分の一に減ずると共に、品位優良美味なるはもとより、搗(つき)減りなく、焚増し等の利益はもちろん、何よりも労力の半減する事である。以上のごとく数え上げればまだ有利な点は、多々あるが、それは略すとして、本農法の出現こそ、農民にとっても、国家にとっても、空前の画期的、一大福音でなくて何であろう。
この驚くべき、新農法の成果を立証するため、以下十数項に及ぶ実験記録は、今秋集まった第一回分の中の一部である。〔実験記録略〕