―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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迷信と科学

『光』28号、昭和24(1949)年9月24日発行

 迷信は何から生れるかというと、実は科学からだといったら世人は吃驚(びっくり)するだろう、それはこういう訳である。
 現代人は何でも科学で解決が出来るように思っている、しかも高等学府を出たものほど、最もそう信じている、ところが実社会にブツかってみると、学校で習った事とあまりにも食違う事で、事実学理ではどうにもならない、と覚り科学以外にそれ以上の何かを求めようとする、そればかりではない、思わぬ災が来る事もあり、これなら大丈夫と思ってやった事が反対の結果を招く事さえある、実に世の中は割り切れない事だらけだ、という訳で、一種の失望と前途不安に襲われない者はほとんどあるまい、こんな訳でインテリ人が、人に知れないよう極内密で、何々判断や人相、手相、神憑り行者の御託宣等を受けに行くものが、案外多いという事である。
 以上述べた事によってみても、最初述べたように、科学で解決されない事が余りに多い結果、迷信に走るという結果になるのであるから、全く迷信は科学が作るといっても、否とはいえないであろう。