―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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喘息

『天国の福音』昭和22(1947)年2月5日発行

 喘息(ぜんそく)は医学上原因不明で治癒最も困難とされている。また医学は喘息に二種あるとしている。一は心臓性喘息、一は気管支性喘息という。すなわ ち前者は発作的で、発作の際激しい呼吸困難を来し、重症に及ベは呼吸切迫ほとんど死の直前を想わしむるものがある。後者は強烈頻繁なる咳嗽(せき)に苦し み、不眠、食欲不振、呼吸困難等痛苦はなはだしいのである。そうして多くは周期的で、冬季または夏季に一ケ月または二ケ月位に限るというのもあり、重症は 二六時中不定期的に苦しむのである。発作の場合、医療は多く注射によって一時的苦痛を除去するが、これは著効はあるが、ある時間の経過によって再発する。 従ってまた注射をするという事を繰返す結果、漸次悪化し、時間は短縮され、はなはだしきは一日二、三十本位注射を行う事になり、注射の中毒によって昏倒人 事不省になる者さえある。近来医学においてはその原因を迷走神経の異常などといい手術を行うが、これは全然見当違いである。
 喘息の原因は、私の発見によれば心臓性喘息は横隔膜の下辺を主とし、肩部、腎臓部、胸部、腹膜、鼠蹊部、その他の溜結毒素が浄化液体化し、それが肺臓内 に浸潤する場合、肺膜の厚い人か、または喀痰濃度の場合、肺自身が吸収せんとするその運動のための呼吸困難である。故に発作の場合吐痰すれば軽快になるに みても明らかである。
 次に、気管支性喘息は、強烈なる咳嗽によって濃度の喀痰を吸引するためで、頻繁なる咳嗽は喀痰多量によるためである。本医術によれば相当の時日を要する が、いずれも完全に治癒するのである。