―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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腎臓炎乃至腎臓病

『アメリカを救う』P.129、昭和28(1953)年1月1日発行

 腎臓という機能は、尿の処理機関であるのは誰も知っているが、この病気は初め薬毒が背面腎臓部に溜り固結するので、これが腎臓を圧迫し完全に尿の処理が出来なくなる。すなわち萎縮腎である。このため余剰尿は腎臓膜を滲出し、全身に氾濫する。これが浮腫(むくみ)である。ところがこの余剰尿は局部的に固まって種々の病気となる。その中一番多いのが首肩の凝り、頭脳の病、耳、眼、鼻の病が主で、驚くべきは歯槽膿漏の原因もこれであるから、考えたら不潔極まるものである。また右の固結が浄化のため発熱する場合、これを腎臓炎というのである。また腎臓結核は非常に痛む病気で、重症になると血の混った尿が出る事がある。これは薬毒によって腎臓壁に腫物が出来、そこから膿と血が滲出するからである。また腎臓結石は最初胆石病の胆石の小粒が尿に混って流下し、腎臓内に停滞するうち尿素が付着して段々大きくなり、これが膀胱の入口または出口につかえ、尿が閉止する事がよくある。そのため下腹部が浮腫となり、増大してどうにもならなくてついに死ぬ人も往々あるのである。
 ここで注意すべきは、医学では腎臓病の場合尿中の蛋白を恐れ、塩分を禁止したり牛乳を多量に飲ませたりするが、これはナンセンスである。というのは蛋白とは実は前記のごとく浄化によって溶けた尿素であるからで、蛋白が出る程いいのである。従って蛋白が出切ってしまえば、完全に治ってしまう。医師諸君においても、今後試して貰いたいと思うのである。