―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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スポーツ医学

『天国の福音』昭和22(1947)年2月5日発行

 スポーツマンが素晴しい体格や体力の持主でありながら割合短命という定評のあるのはいかなる理由であろうか、医学においても一種の謎とされている。ここにその原因を開陳してみよう。
  スポーツは多くの種類があるに係わらず、そのほとんどが一人一種に限られている。従って二六時中練習の場合同一動作をとるから、その力点に保有毒素が集溜 固結するのである。それが時を経て浄化発生する。しかも普通人と違い毒結が強靭なるため浄化も執拗であり治癒困難となるのである。
 私の経験上、水泳選手などは肩の一方に隆起的固結がある。その浄化発生の場合結核的症状を呈するので、医師の診断の多くは結核と断定するのである。水泳選手に結核の多いのもこのためである。
 またゴルフ愛好者はよく腎臓疾患に罹りやすくこれも腰に力を入れるため腎臓周囲に毒素溜結するからである。
 その他マラソン選手における心臓肥大症は周知の事実である。私は思う、健康上からいえばスポーツマンは二種以上の競技を実行すべきである。またスポーツに限らず、音楽家等にも動作偏重のための罹患があるから注意する要がある。
 ピアノに耽(ふ)ける者は両腕に力点を置く関係上胸部に毒結する。ヴァイオリンは肩部にチェロは左肩と腰部等というようにである。これらも軽視出来ないものがあるから、音楽家も他の運動等によって調節すベきである。