―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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栃木地方の地震の原因

『救世』48号、昭和25(1950)年2月4日発行

 今回の栃木地方の地震について、吾らの見解を述べてみよう。
 この地震は気象台でも原因は判らないとしているが、これは判らないはずである、現在の気象学では、今回のごとき地震を判る程度には達していないからで、唯物科学の研究だけでは何世紀かかるか判らないのである、ところが神霊科学においては容易に判るにみても偉大というべきである。
 吾らの地震に対する解釈は信仰雑話にもある通り、地殻の収縮であるが、地殻の収縮の表われは、大抵は海底の陥没で、日本に地震が多い事は、海岸線の長いためである、ところが学理では火山国のためとしているが、それもたしかにあるが、火山による地震は大地震はほとんどないのである、大地震は海底陥没による陸地への影響が原因であるから、何よりも事実をみれば分る、関東の大震災にしろ一昨年の福井地方の地震にしろそれであり、越後地方の今心配している陸地陥没も、日本海底の陥没の影響である事はもちろんである。
 ところが今回の栃木地方の地震はいささか違うのである、というのは日光連山の影響である、というのは日光の一大山塊は堅固な巌石から成っており全体の重量は素晴しい大きなものであるから長期間に地殻を圧迫する、そのため圧迫された地殻は自然陥没状となり、それがある程度に達するや、接近せる地殻は一種の平均作用が起る、それはその地殻は軟質であるからで、漸次硬化しつつ最後に一挙に収縮するのである、従って、この種の地震は非常に稀であると共に、大きな地震は決してないのである。
 以上が、神霊気象学の解説である。