幼児の食物に就て
『救世』51号、昭和25(1950)年2月25日発行
医学は、幼児の食物を非常に誤った解釈をしている、よくバナナや餡気を食べさせると疫痢が起るといい食わせないようにするがこんな訳は全然ない、これらは疫痢の起らんとする直前たまたまそういうものを食べたので誤ったのであろう、ゆえに私は六人の子供はもとより数十万の信者にもその事を言ってあるが、いまだ一人もそういう例はない、もっとも疫痢などは浄霊によれば簡単に治るし、死ぬような事はほとんどないからでもある。
滑稽なのは幼児に餡(あん)を食わせない家庭がよくある、こういう母親に私はいつも言うのである、それは餡のどこに悪い点がある、餡とは便秘や脚気などに好いとしている小豆を煮て、それを布で濾(こ)して、砂糖を入れよく煮たものでこんな良いものはないのである。
これらの原因をよく考えてみると、医学は西洋で出来たものであり、西洋には餡がないから、医学書に書いてないがためであろう、この事は外にもある、医師が病人に奨める食物の場合牛乳、肉汁、アイスクリーム、オートミール、トマト、ジャガ芋、キャベツ、玉葱、林檎等の西洋的のものを勧めたがるにみても明らかである、近来、幾分かそれに目覚めてか、味噌汁や納豆などを推奨するようになったが以前はこういうものは排斥したものである。
以前こういう面白い患者があった、四十歳くらいの婦人、ほうれん草が薬というので、毎日ほうれん草ばかり食い、半年くらい続けると、身体全体に梅毒のような発疹が出来、驚いて私の所へ来たのである、これは中毒だから間もなく全治したが、その婦人の言うにはほうれん草くらい恐ろしいものはありません、一生喰べない事にしましたとの事によってみても注意すべきである、しかしこれはどんな物でも一種類を多食すると中毒に罹りやすいものであるからホーレン草が特に悪いという訳はない、およそ食物は食べたい物を適当に食べればいいのである、ゆえに西洋の物でも日本の物でも偏らないで、嗜好に適する物を撰べばよいのである。