――― 岡 田 自 観 師 の 御 歌 集 ―――

 

御     歌

原   典

のうそんの つかれしきじのしんぶんを みぬひとてなくむねのおもかり
農村の 疲れし記事の新聞を 見ぬ日とてなく胸の重かり
山と水 1148
S 9.10.26
秋たけぬ
のうふたつ ひざのあたりにほののびし むぎふのおかにかぜやわめくも
農夫たつ 膝のあたりに穂ののびし 麦生の丘に風やわめくも
山と水 1064
S 9. 2. 6
のきさきの すずめのこえもいさましし あさひこのかげさしそめてより
軒先の 雀の声も勇ましし 朝日子の光射し初めてより
御讃歌集
(改)030
れいめい
黎明
のきしたの すずめのこえもいさましし あさひのひかりさしそめてより
軒下の 雀の声も勇ましし 朝日の光射し初めてより
御讃歌集
239
あさあけ
朝明
のこぎりやま ふもとすぐればあくがれの にほんじのもんいかめしくたてる
鋸山 麓すぐればあくがれの 日本寺の門いかめしくたてる
山と水 0031
S 6. 6.15
安房
歌紀行
のにやまに いろとりどりにさくはなは かみのめぐまうたからにぞある
野に山に 色とりどりに咲く花は 神の恵まう宝にぞある
明麿近詠集
S24. 5.**
404
のにやまに いろとりどりにさくはなは かみのめぐもうたからにぞある
野に山に 色とりどりに咲く花は 神の恵まふ宝にぞある
地上天国 6
S24. 7.20
 
のぼりゆく ままにもみじのいろふかみ あきこのやまにたけなわのいま
登りゆく ままに紅葉の色深み 秋此山にたけなわの今
山と水 0270
S 6.10.18
日光の秋
のぼるひに あたりくまなくあけぬれば いっこうげざんのとにつきにけり
昇る陽に あたり隈なく明けぬれば 一行下山の途につきにけり
山と水 0044
S 6. 6.15
安房
歌紀行
のりにそれず みちにかないてとみさかゆ さちはかんのんぎょうにありける
法に外れず 道にかないて富栄ゆ 幸は観音行にありける
御讃歌集
025
救世之光
のりのはな ちりてむすびしひとつみは せいかんのんのみたまなるらむ
法の華 散りて結びし一つ実は 聖観音の身魂なるらむ
御讃歌集
127
のりのはな
法の華
のろのろと うしあまたゆくあすふぁるとの みちはふゆひのなかにつづける
のろのろと 牛あまたゆくアスフヮルトの 路は冬陽の中につづける
山と水 0685
S 8.**.**
豊 島
(目 白)
新東京を詠む

 12首