――― 岡 田 自 観 師 の 御 歌 集 ―――

 

御     歌

原   典

りくつもて とくしゅうきょうはよをすくう ちからのなきをあかしいるなり
理屈もて 説く宗教は世を救ふ 力のなきを証しゐるなり
「栄光」226
S28. 9.16
 
りくつもて とくにとかれぬものこそは まことのかみのおしえなるらん
理屈もて 説くに説かれぬものこそは 真の神の教へなるらん
「栄光」202
S28. 4. 1
 
りくつもて とけぬしんぴをあきらかに するこそまことのおしえなるらん
理屈もて 説けぬ神秘を明らかに するこそ真の教なるらむ
「栄光」224
S28. 9. 2
 
りくつもて なおらぬものはいじゅつなり りくつなくなおるものこそじょうれいのわざ
理屈もて 治らぬものは医術なり 理屈なく治るものこそ浄霊の業
地上天国55
S28.12.25
 
りくつもて ひとがすくえるものなれば したとかつじでまにあうならめ
理屈もて 人が救えるものなれば 舌と活字で間に合ふならめ
「栄光」 224
S28. 9. 2
 
りくつもて まことをまぐるこざかしき ひとのふえゆくよぞすえならん
理屈もて 真を曲ぐる小賢しき 人の増えゆく世ぞ末ならむ
地上天国34
S27. 3.25
 
りそうがあたまのへんで とおくなったり ちかくなったり ふわふわしている
理想が頭の辺で 遠くなつたり 近くなつたり ふわふわしてゐる
山と水 0506
S 7. 3. 1
自分の今
りっしゅんの きょうのめでたさいざなぎの かみゆもものみたまわりしなり
立春の 今日の目出度さ伊邪那岐の 神ゆ百の実給はりしなり
祭典時
S26. 2. 5
立春御詠01
りっしゅんの きょうをさかいにわがわざは ひのでのごとくかがよいわたらん
立春の 今日を境に我業は 日の出の如く輝よいわたらむ
祭典時
S26. 2. 5
立春御詠03
りによらず ほうにもよらずただとくに おさまるみよぞちじょうてんごく
理に偏らず 法にも倚らずただ徳に 治まる美代ぞ地上天国
明麿近詠集
S21. 3.18
279
和光同塵
りゅうすむか みずどすぐろきやまあいの このかぜなりてしらくもはしる
龍すむか 水どすぐろき山間の 湖の風なりて白雲はしる
山と水 0878
S 8. 6.19
奥日光
りょうがわゆ しだるるはぎのはなのみち おりおりあおぎついくたのしさよ
両側ゆ 枝垂るる萩の花の路 おりおり仰ぎつ行く楽しさよ
地上天国53
S28.10.25
箱根の秋
18
りょうがわゆ はぎおいかむるよのこみち つゆをいといつぬけにけるかも
両側ゆ 萩生ひかむる夜の小径 露をいとひつ抜けにけるかも
山と水 0161
S 6. 7. 6
月の光
りょうそでに みさきまなかにはつしまや おおしまはろけしわがにわにたてば
両袖に 岬真中に初島や 大島はろけしわが庭に佇てば
明麿近詠集
S21. 3.13
270
春の訪れ
りょうそでは やまがきつづかいたやはたの あおきがなかをれーるひかれる
両袖は 山垣つづかひ田や畠の 青きが中をレール光れる
山と水 0568
S 7. 5.25
能登近く
りんりつの えんとつくろくこうじょうの いらかはつきにきらめきてあり
林立の 煙突黒く工場の 甍は月にきらめきてあり
山と水 0156
S 6. 7. 6
月の光

16首