――― 岡 田 自 観 師 の 御 歌 集 ―――

 

御     歌

原   典

せいこううびょう はるふかみゆくこのひごろ にわづくりなどたのしむもわれ
晴耕雨描 春深みゆく此日比 庭造りなど楽しむも吾
明麿近詠集
S17. 4.10
114
立 春
せいじゃくは ここにきわむかそういんの まひるまのにわうごくものなし
静寂は ここにきわむか僧院の まひるまの庭うごくものなし
山と水 1019 S 8.11.18 冬静か
せいしんの かがみによらでいかにして もものさかごとわからざらめや
正神の 鏡によらで如何にして 百の逆事解らざらめや
御讃歌集
054
神の御光
せいしんの かがみによらでいかにして よろずのさかごとうつらざらめや
正神の 鏡によらで如何にして 万の逆事映らざらめや
御讃歌集
(改)138
しんおん
神 恩
せいしんの きにひたるべくやまのゆに くればおもわぬことのみぞおおき
清新の 気に浸るべく山の温泉に くれば思はぬ事のみぞ多き
山と水 0118 S 6. 7.15 ハルナ登山
せいしんの まなこにうつるいまのよの ぶんかおおかためいしんにぞある
正神の 眼に映る今の世の 文化大方迷信にぞある
地上天国31
S26.12.25
 
せいしんは よろこびのひぞまがかみは かなしみのひぞきょうのみまつり
正神は 喜びの日ぞ曲神は 悲しみの日ぞ今日の御祭
S28. 2. 4 立春祭
御歌03
せいしんは よろこびのひぞまがかみは かなしみのひぞきょうのみまつり
正神は 喜びの日ぞ曲神は 悲しみの日ぞ今日の御祭
地上天国46
S28. 3.25
 
せいしんを めいしんとみゆいまのよの ものしりたちのめしいのまなこ
正信を 迷信と見ゆ今の世の 物識達の盲のまなこ
地上天国30
S26.11.25
全集未収録
せいしんを めいしんとみるめいしんは よにおそろしきものにぞありける
正信を 迷信と見る迷信は 世に恐ろしきものにぞありける
地上天国32
S27. 1.25
 
せいぜんたるへや そのでんとうのあかるさのかいかんよ
整然たる部屋 その電灯の明るさの快感よ
山と水 0427
S 7.12.25
感 情
せいとうざいばつのかいしょう いちにちはやいだけ それだけたすかるんだ
政党財閥の解消 一日速いだけ それだけ助かるんだ
山と水 1033
S 8.12.29
日 本
せいとうせいじなんていうものは いくらさがしたってありやしない
政党政治なんていうものは いくら探したつてありやしない
山と水 0784
S 8. 3.10
代議政体
せいとうは せいとうをにんしきすればいいんだ そしてじだいを
政党は 政党を認識すればいいんだ そして時代を
山と水 1008
S 8.10.20
非常時
せいれいの そらにむらがるゆうべなり ゆうばえぐもをにわにあおぐも
蜻蛉の 空にむらがる夕べなり 夕映雲を庭にあふぐも*
山と水 0623
S 7.12. 5
蜻 蛉
せいれいを とらんとすればすいとゆく とらんとすればまたすいとにげぬ
蜻蛉を とらんとすればすゐとゆく とらんとすれば又すゐと逃げぬ
山と水 0624
S 7.12. 5
蜻 蛉
せいれんけっぱくでびくびくしている ○○ほうしょう
清廉潔白でびくびくしてゐる ○○法相
山と水 1105
S 9. 4.16
昭和九年四月
せかいじゅう はかせあつめておしえたし まことただしきがくもんのみち
世界中の 博士集めて教へたし 真正しき学問の道
S28. 3.23 春季大祭
御歌12
せかいじゅうの はかせあつめておしえたし まことただしきがくもんのみち
世界中の 博士集めて教へたし 真正しき学問の道
地上天国47
S28. 4.25
春季大祭
御詠
せかいてき めいしょとならんかんれいの うえにたちけるびのてんごくは
世界的 名所とならん函嶺の 上に建ちける美の天国は
※函嶺、箱根山の異称。
「栄光」163
S27. 7. 2
 
せかいは るてんするかいがだ あかもしろもくろも みんなこうせいにひつようなえのぐのそれだ
世界は 流転する絵画だ 赤も白も黒も みんな構成に必要な絵具のそれだ
山と水 0252
S 6. 9.20
日本よ
せきがくも はかせもしょうがくじどうとぞ うつるなりけりわがまなこには
碩学も 博士も小学児童とぞ 映るなりけり我眼には
※碩学=大学者。
地上天国24
S26. 5.25
 
せせらぎに はるのひびきありうらうらと みぎわのつちはまびをすいおり
せせらぎに 春のひびきありうらうらと 汀の土は真陽を吸いをり
山と水 0743
S 8. 2. 4
浅 春
せせらぎの しゃくじんいかわにそいながら はるたずねんかとしまえんてい
せせらぎの 石神井川に添ひながら 春訪ねむか豊島園庭
山と水 0733
S 8.**.**
板 橋
新東京を詠む
せつかい〔ゆきくれ〕の ばさりとおちぬおいまつの おおえだしばしうちふるえるも
雪塊の ばさりと落ちぬ老松の 大枝しばし打ふるえるも
山と水 0738
S 8. 2. 4
雪の日
せとひばちのしたしいしょっかん ひしひしとなる すみびのおと
瀬戸火鉢のしたしい触感 ヒシヒシと鳴る 炭火の音
山と水 0603
S 7.11.20
炭 火
せんおくの とみにもましてうれしきは つつがなみけるみにしありけり
千億の 富にも増して嬉しきは 恙なみける身にしありけり
御讃歌集
187
大御恵
せんおくの とみにもましてうれしきは つつがなみけるみにしあるなり
千億の 富にもまして嬉しきは 恙なみける身にしあるなり
御讃歌集
(改)049
吾救はれぬ
せんおくの とみをつむとていたつきに ありせばなんのさちかあらなん
千億の 富を積むとて病きに 在りせば何の幸かあらなむ
地上天国22
S26. 3.25
 
せんじょうがはらはうすらにきばみけり ところどころにおばなふるえる
戦場ケ原はうすらに黄ばみけり ところどころに尾花ふるえる
※尾花=ススキの花穂。ススキのこと。秋の季語。
山と水 0285
S 6.10.18
日光の秋
せんずれば たてとよことのあらそいに ひをけすぼんぷのいかにおおきも
詮ずれば 経と緯との争ひに 日を消す凡夫の如何に多きも
地上天国52
S28. 9.25
 
せんのきょうもん まんのばいぶるよむとても りやくなければくうにひとしも
千の経文 万のバイブル読むとても 利益なければ空に等しも
「栄光」248
S29. 2.17
 
せんのみてに ぶっかをさずけせんのみめに ひかりめぐもうせそんとうとし
千の御手に 仏果を授け千の御眼に 光恵もう世尊貴し
※仏果=仏道の修行によって得た仏の境地。
御讃歌集
003
千手観音
せんのみてに もるるはあらじうつしよに ありとしあらゆるもののいのちの
千の御掌に 漏るるはあらじ現世に ありとしあらゆるものの命の
御讃歌集
008
千手観音
せんのりくつ まんのもじにもこゆるもの いやしのわざのすくいにぞある
千の理屈 万の文字にも越ゆるもの 医しの業の救いにぞある
「栄光」252
S29. 3.17
 
せんようの みてのちからにまがかみも せそんのみまえにぬかづくなるらむ
千様の 御手の力に曲神も 世尊の御前に額くなるらむ
御讃歌集
006
千手観音
せんれいの ひのうずまきはちのうえを なめつくすなりきよどのこして
洗霊の 火の渦巻は地の上を 舐め尽すなり浄所残して
S25.12.23 御聖誕祭
御歌08
せんれいの ひのかむわざをおおかみは よさしたまいぬわがからたまに
洗霊の 火の神業を大神は 任し給いぬ我体魂に
「救世」67
S25. 8.30
 
せんれいの ひのてはすでにちょうせんに もえそめにけりこころせよみな
洗霊の 火の手は已に朝鮮に 燃え初めにけり心せよみな
S25.12.23 御聖誕祭
御歌03

 

 

御     歌

原   典

ぜったいの しんりきうくるわれにして てんごくつくるもいとやすけかり
絶対の 神力受くる吾にして 天国造るもいと易けかり
地上天国35
S27. 4.25
 
ぜったいの しんりきをもててんごくを つくるえいゆうとわれおもうかも
絶対の 神力をもて天国を 造る英雄と吾思ふかも
地上天国48
S28. 5.25
 
ぜったいの すくいのちからふるいなば さんがいばんれいよみがえるらむ
絶対の 救の力揮いなば 三界万霊蘇るらむ
御讃歌集
134
救の力
ぜったいの ちからというはめにみえず てにもとどかぬものにぞありける
絶対の 力というは眼に見えず 手にも届かぬものにぞありける
「栄光」 229
S28.10. 7
 
ぜったいの ちからのまえにいかならん まがつかみとておののくなるらん
絶対の 力の前に如何ならむ 曲津神とて戦くなるらむ
S28. 2. 4 立春祭
御歌07
ぜったいの ちからのまえにいかならん まがつかみとておののくなるらん
絶対の 力の前に如何ならむ 曲津神とて戦くなるらむ
地上天国46
S28. 3.25
 
ぜっぺきの ところどころにもみじはえ こんじょうのそらたかくすみおり
絶壁の ところどころに紅葉映え 紺青の空高く澄みをり
山と水 0231
S 6. 9.20
秋(一)
ぜんあくの けじめもわかぬにんげんを つくるおしえはぎしんりなるらめ
善悪の 差別も分かぬ人間を 作る教は偽真理なるらめ
「栄光」158
S27. 5.28
 
ぜんあくの けじめもわかぬまなこもつ めしいのはばるよにぞありける
善悪の けぢめも分かぬ眼もつ 盲のはばる世にぞありける
明麿近詠集
S24. 9.20
483
善と悪
ぜんあくの けじめもわかぬまなこもつ めしいのはばるよにぞありける
善悪の けぢめも分かぬ眼もつ 盲のはばる世にぞありける
地上天国9
S24.10.25
上下とも
全集未収録
ぜんあくの けじめもわかぬまなこもつ めしいのはばるよにぞありける
善悪の 差別も分かぬ眼もつ 盲のはばる世にぞありける
御讃歌集
(改)350
めしい
ぜんあくを きめたるせつなしんりちょう ものはせんりのさきににげたる
善悪を 決めたる刹那真理てふ ものは千里の先に逃げたる
明麿近詠集
S11. 5.15
017
真 理
ぜんあくを たてわくるひのせまりきも こころゆるすなもろびとよゆめ
善悪を 立分くる日の迫り来も 心ゆるすな諸人よゆめ
地上天国39
S27. 8.25
 
ぜんいんぜんか あくいんあっかのありやかに しらるるときぞよのおわりなる
善因善果 悪因悪果のありやかに 知らるる時ぞ世の終りなる
光宝会資料
S25. 1. 1
新年御歌
祭典時18
ぜんいんぜんか あくいんあっかのありやかに しらるるときぞよのおわりなる
善因善果 悪因悪果のありやかに 知らるる時ぞ世の終りなる
地上天国13
S24.12.21
大浄化
ぜんがさかえ あくのほろぶるときこそは みろくのみよのはじまりにぞある
善が栄え 悪の滅ぶる時こそは 五六七の御代の始まりにぞある
光宝会資料
S25. 1. 1
新年御歌
祭典時19
ぜんがさかえ あくのほろぶるときこそは みろくのみよのはじまりにぞある
善が栄え 悪の滅ぶる時こそは 五六七の御代の始まりにぞある
地上天国13
S24.12.21
大浄化
ぜんじんるい かみあることをしんぜずば やがてへいわはゆめとなりなん
全人類 神ある事を信ぜずば やがて平和は夢となりなん
地上天国48
S28. 5.25
 
ぜんじんるい すくうちからはきせきより ほかになきことしれよもろびと
全人類 救ふ力は奇蹟より 外になき事知れよ諸人
「栄光」 204
S28. 4.15
 
ぜんじんるい すくうなどとうおおいなる のりごとりじにはいらざらめや
全人類 救ふなどとふ大いなる 宣り言俚耳に入らざらめや
祭典時御歌
S29. 3.23
春季大祭
御詠 06
ぜんじんるい すくうなどとうおおいなる のりごとりじにはいらざらめや
全人類 救ふなどとふ大いなる 宣り言俚耳に入らざ〔ら〕めや
地上天国59
S29. 6.15
 
※俚耳=世間の人々の耳。俗耳。    
ぜんじんるい ひれふすときぞめでたくも みろくのみよのはじめなりけり
全人類 鰭伏す時ぞ芽出度くも ミロクの御代の初めなりけり
「栄光」183
S27.11.19
 
ぜんじんるい やがてわがまえにひざまづき いのちをこうるときちかまりぬ
全人類 やがて我前に跪き 命を乞ふる時近まりぬ
祭典時御歌
S29. 1. 1
新年御詠 16
ぜんじんるい やがてわがまえにひざまづき いのちをこうるときちかまりぬ
全人類 やがて我前に跪き 命を乞ふる時近まりぬ
地上天国 57
S29. 2.25
新年御詠
ぜんせかい まなこみはらんいとたかき びのてんごくはあたみにうまれし
全世界 眼瞠らむいと高き 美の天国は熱海に生まれし
地上天国 56
S29. 1.25
御生誕祭
御詠
ぜんせかい まなこみはらんいとたかき びのてんごくはあたみにうまれぬ
全世界 眼瞠らむいと高き 美の天国は熱海に生まれぬ〔し〕
S28.12.23 御聖誕祭
御歌14
ぜんせかいをやきつくすであろう ごうか いまぷすぷすもえあがろうとしている
全世界を焼き尽すであらう 劫火 今プスプス燃え上らうとしてゐる
山と水 0750
S 8. 2. 5
時局と日本
ぜんちきゅう じゅうじにむすぶときこそは じんるいことごとまなこさまさむ
全地球 十字に結ぶ時こそは 人類悉と眼醒〔ま〕さむ
祭典時御歌
S29. 2. 4
立春祭
御詠 06
ぜんちきゅう じゅうじにむすぶときこそは じんるいことごとまなこさまさむ
全地球 十字に結ぶ時こそは 人類悉と眼醒さむ
地上天国58
S29. 3.25
立春祭
御詠
ぜんでらの よはしんしんとふけわたり かたりあいつつはつべくもなし
禅寺の 夜は深々と更けわたり 語り合ひつつ果つべくもなし
山と水 0034
S 6. 6.15
安房歌紀行
ぜんとあく たてわけたまうみちからを ふるうめしやのみわざかしこし
善と悪 たて分け給ふ御力を 揮ふメシヤの神業畏し
御讃歌集
(改)399
神人の業
ぜんといい あくとののしるひとをさばく ひとはしんいをおかすなりける
善といひ 悪とののしる人を審判く 人は神位を犯すなりける
山と水 0211
S 6. 9.16
或人達へ
ぜんはさかえ あくはほろびるときすでに たまのせかいにきつるなりける
善は栄え 悪は滅びる時已に 霊の世界に来つるなりける
「栄光」171
S27. 8.27
 
ぜんはさかえ あくはほろびんよはいまや きたらんとすもうれしからずや
善は栄え 悪は滅びむ世は今や 来らむとすも嬉しからずや
岡田茂吉全集
S25. 2. 4
立春御歌
祭典時14
ぜんはさかえ あくはほろぶることわりを とくこそまことのきょういくなりける
善は栄え 悪は滅ぶる理を 説くこそ真の教育なりける
「栄光」158
S27. 5.28
 
ぜんをたたえ あくをとがめぬかんぜおん ぼさつのみこころこころとせよみな
善を讃へ 悪を咎めぬ観世音 菩薩の御心心とせよみな
岡田茂吉全集
S25. 2. 4
立春御歌
祭典時11
ぜんをたたえ あくをとがめぬかんぜおん ぼさつのみこころこころとせよみな
善を讃え 悪を咎めぬ観世音 菩薩の御心心とせよみな
地上天国15
S25. 4.20
 
ぜんをたたえ あくをとがめぬかんぜおん ぼさつのみこころこころとせよみな
善を讃へ 悪を尤めぬ観世音 菩薩の御心こころとせよ皆
御讃歌集
(改)251
だいじだいひ
大慈大悲

 77首