――― 岡 田 自 観 師 の 御 歌 集 ――― |
う 131首
御 歌 |
原 典 |
題 |
うえになき さむさにおびうもろびとの かてともならんわがかしふみ 飢に泣き 寒さに慄う諸人の 糧ともならんわが記きし文 |
明麿近詠集 S21. 3. 3 |
231 神の愛 |
うえになく たみぐさあわれながきよを まことわすれしとがにかあらむ 飢に咢く 民草憐れ長き世を 誠忘れし尤にかあらむ |
御讃歌集 282 |
れいほう 霊 峰 |
うえになく たみぐさあわれながきよを かみわすれにしとがにかあらん 飢に哭く 民草憐れ長き世を 神忘れにし咎にかあらむ |
御讃歌集 (改)321 |
かいしん 戒 心 |
うえになく たみよそにしてあらそいに ひもこれたらぬあわれものしり 飢に号く 民よそにして争ひに 日もこれ足らぬ哀れ物識り |
明麿近詠集 S21. 3. 7 |
258 吾 |
うえもしたも れいせつまもるくにこそは まことへいわのかぜふきぬらん 上も下も 礼節守る国こそは まこと平和の風吹きぬらむ |
地上天国27 S26. 8.25 |
礼 節 |
うからたち つみくさにいでしかおともなし ごごかんにしてへやのしずけさ うからたち 摘草にいでしか音もなし 午後閑にして部屋の静けさ ※うから=親族。 |
山と水
1086 S 9. 3. 6 |
春 閑 |
うきうきし かげもさやかなまんげつの あかるきにわにむししきりなく 浮きうきし 光もさやかな満月の 明るき庭に虫しきり啼く |
山と水
0204 S 6.**.** |
虫 |
うきが いけいっぱいにひろがって とりのこえが うつつになりかけた 浮子が 池イツパイにひろがつて 鳥の声が うつつになりかけた |
山と水
0489 S 7. 2.10 |
釣 |
うきくさの ただようごときさだめもつ ひとにかあらんしんこうなきひと 浮草の 漂ふ如き運命もつ 人にかあらむ信仰無き人 |
御讃歌集 (改)276 |
信 仰 |
うきくさの ただようにもにしさだめもつ ひとにかあらむしんこうなければ 浮草の 漂ふにも似し運命もつ 人にかあらむ信仰なければ |
地上天国19 S25.12.25 |
|
うきぐさの ところさだめぬわがこころ あわれとすくいませしかんのん 浮草の 処定めぬ我心 愁れと救いませし観音 |
御讃歌集 053 |
神の御光 |
うきなやみ しげきよなれどこころやすく わたるはまことのつえもてばなり 憂き艱み 滋き世なれど心安く 渡るは誠の杖もてばなり |
明麿近詠集 S21. 3. 7 |
260 吾 |
うきのよも たのしきみよとなりにけり かみのまもりのあるをしりてゆ 憂の世も 楽しき御代となりにけり 神の守りのあるを知りてゆ |
明麿近詠集 S24. 5.** |
409 |
うきのよも たのしきみよとなりぬらん かみのすくいのちからあれなば 憂の世も 楽しき御代となりぬらむ 神の救ひの力現れなば |
地上天国8 S24. 9.25 |
|
うきのよも たのしきみよとなりぬらん かみのすくいのちからあれなば 憂きの世も 楽しき御代となりぬらむ 神の救ひの力現れなば |
御讃歌集 (改)252 |
大慈大悲 |
うきのよも たのしきみよとなりぬらん かみのすくいのちからいでなば 憂の世も 楽しき御代となりぬらん 神の救ひの力出でなば |
地上天国6 S24. 7.20 |
|
うきのよを きりかえまさんちからこそ めしやのふるうちからにぞある 憂きの世を 切り替へまさむ力こそ メシヤの揮ふ力にぞある |
御讃歌集 (改)129 |
メシヤ |
うごこうともしないあわぐもがながれている とびがすうっと わをえがく 動かふともしない淡雲が流れてる 鳶がすうつと 輪をえがく |
山と水
0234 S 6. 9.20 |
秋(二) |
うしといいし よはすぎにけりよのひとよ たのしきみよはいまきたらむとすも 憂しといいし 世は過ぎにけり世の人よ 楽しき御代は今来たらむとすも |
御讃歌集 177 |
観音力 |
うしとみし よはすぎにけりこころせよ たのしきみよはいまあれんとすも 憂しとみし 世は過ぎにけり心せよ 楽しき御代は今生れんとすも |
御讃歌集 (改)163 |
大神業 |
うすあおく なつをのこせるやまのおに ぬえるがごとくもみじくれなう 淡青く 夏を残せる山の尾に 縫えるが如く紅葉くれなふ |
山と水
0283 S 6.10.18 |
日光の秋 |
うすがすみ ただよいそめておちこちに さくらちらちらさくあたみかも うす霞 漂ひ初めて遠近に 桜ちらほら咲く熱海かも |
地上天国
59 S29. 6.15 |
熱海の春 |
うすがすみ たなびきそめてのもやまも はるのよそおいととのいにける うす霞 たなびき初めて野も山も 春の装ひ調ひにける |
地上天国
59 S29. 6.15 |
熱海の春 |
うすがすむ うみにしまやまえのごとし どんかいろうのにわくさふふみつ うす霞む 海に島山絵の如し 呑海楼の庭草ふふみつ |
山と水
0023 S 6. 6.15 |
乾坤山 |
うすきいろに あきはただよいほかりごの たのもはろけくしゃそうにゆれにつ 淡黄色に 秋はただよい穂苅後の 田の面はろけく車窓にゆれにつ |
山と水
0320 S 6.11. 1 |
筑波紀行 |
うすびさす あしたのはなのいろさえて ひがんざくらをふくかぜもなく うす陽さす 朝の花の色さえて 彼岸桜をふく風もなく |
山と水
0538 S 7. 3.16 |
桜 |
うすみどり みかさのやまににじまいて ひとはけががきのかすみひけるも うす緑 三笠の山ににじまいて 一刷毛がきの霞引けるも |
山と水
0472 S 7.**.** |
春の山 |
うすやみは ほがらほがらとあかるみつ かけなくこえのけたたましくも うす闇は ほがらほがらと明るみつ 家鶏鳴く声のけたたましくも |
山と水
0370 S 6.12.23 |
暁の鶏声 |
うそいいて やすくわたれるよのなかと おもうひとたちみるがかなしき 啌言ひて 安く渡れる世の中と おもう人達見るが悲しき |
山と水
1151 S 9.10.26 |
吾を観る |
うそをいう ひとこそいともあわれなり おのがしたにておのがきずつき 嘘を言う 人こそいとも哀れなり 己が舌にて己が傷つき |
地上天国11 S24.10.20 |
正直と嘘 |
うそをいう ひとこそいともおろかなり おのがしたもておのがきずつき 嘘をいふ 人こそいとも愚かなり 己が舌もて己が傷つき |
御讃歌集 (改)229 |
正直と嘘 |
うたてきは くすりのどくをしらずして いのちちぢむるひとにありける 歎てきは 薬の毒を知らずして 生命縮むる人にありける |
明麿近詠集 S18. 2. 5 |
149 立 春 |
うたてきは ぶんかのころもにつつまれて やばんをおこなうひとにありける うたてきは 文化の衣に包まれて 野蛮を行ふ人にありける |
「栄光」
205 S28. 4.22 |
|
うたてさは こくみんのりがいあとにして わがとうだいいちにするこころなり うたてさは 国民の利害後にして 我党第一にする心なり |
「栄光」
237 S28.12. 2 |
※うたてさ =情けない |
うたよまん ことさえいつかわすれけり うみのながめにこころうばわれ 歌詠まむ 事さえいつか忘れけり 海の眺めに心奪はれ |
山と水
0026 S 6. 6.15 |
乾坤山 |
うちかえす はねしろじろとうみひくう つきかげあみゆくかりがねのむれ うちかえす 羽白じろと湖低う 月光浴みゆくかりがねの群 |
山と水
0200 S 6. 9.10 |
雁 |
うちむかう かれのおもてのほがらさに いわんことどもおしつぶしけり うち対う 彼の面のほがらさに 言はん事ども押しつぶしけり |
山と水
1208 S10. 4.10 |
彼 |
うちゅういしがとっぺんしかけているぜ いんてりたちよ 宇宙意志が突変しかけてゐるぜ インテリ達よ |
山と水
0781 S 8. 3.10 |
インテリ |
うつしよに かくもたえなるぱらだいす ありやとうたがうずいうんてんごく 現世に 斯くも妙なるパラダイス ありやと疑ふ瑞雲天国 |
地上天国16 S25. 8.15 |
瑞雲天国 |
うつしよに かくもたえなるぱらだいす ありやとおもうずいうんてんごく 現世に 斯くも妙なるパラダイス ありやと思ふ瑞雲天国 |
御讃歌集 (改)372 |
瑞雲天国(一) |
うつしよに ためしとてなきおおいなる うつりかわりのひにせまりくも 現世に 例しとてなき大いなる 移り変りの日にせまり来も |
光宝会資料 S25. 1. 1 |
新年御歌 祭典時02 |
うつしよに ためしとてなきおおいなる うつりかわりのひにせまりくも 現世に 例しとてなき大いなる 移り変りの日にせまり来も |
地上天国12 S25. 1.20 |
|
うつしよに ためしとてなきおおいなる うつりかわりのひにせまりくも 現世に 例しとてなき大いなる 移り変りの日にせまり来も |
地上天国13 S25. 2.20 |
大浄化 S24.12.21 |
うつしよに われのあるるをいくちとせ まちわびにけんもものせいじゃよ 現世に 吾の生るるを幾千歳 待ちわびにけむ諸の聖者よ |
光宝会資料 S25. 1. 1 |
新年御歌 祭典時35 |
うつしよに われのあるるをいくちとせ まちわびにけんもものせいじゃよ 現世に 吾の生るるを幾千歳 待ちわびにけむ諸の聖者よ |
地上天国13 S24.12.21 |
大浄化 |
うつしよの いきとしいけるものみなは かみのめぐみにもるるはあらじ 現世の 生きとし生けるものみなは 神の恵みに漏るるはあらじ |
御讃歌集186 S23. 7. 1 |
おおみめぐみ 大御恵 |
うつしよの いきとしいけるものみなは かみのめぐみにもるるはあらじな 現世の 生きとし生けるもの悉は 神の恵みに漏るるはあらじな |
御讃歌集 (改)114 |
神を讃へる |
うつしよの けがれにそみしもろびとの こころをあらうてんごくのその 現世の 穢れに染みし諸人の 心を洗ふ天国の苑 |
御讃歌集 (改)378 |
瑞雲天国 (一) |
うつしよの じごくにあえぐもろびとを しばしなりともてんごくにみちびく 現世の 地獄に喘ぐ諸人を 暫しなりとも天国に導く |
御讃歌集 (改)381 |
瑞雲天国 (二) |
うつしよの じごくにうめくもろびとの しばしやすらうてんごくのその 現世の 地獄にうめく諸人の しばし憩らう天国の苑 |
地上天国16 S25. 8.15 |
瑞雲天国 |
うつしよの てんごくなるかもさきみだる ももはなのなかにいうみやまながむる 現世の 天国なるかも咲き乱る 百花の中に居海山挑むる |
地上天国16 S25. 8.15 |
瑞雲天国 |
うつしよの みだれのもとはれいせつを ないがしろにせしとがにぞありける 現し世の 紊れの因は礼節を ないがしろにせし尤にぞありける |
地上天国27 S26. 8.25 |
礼 節 |
うつしよの みだれをただしじゅんじょある みようちたてんわがのぞみかも 現世の 乱れを釐し順序ある 御代打樹てむわが望みかも |
明麿近詠集 S24. 2.** |
385 救主降臨 |
うつしよの みだれをただしじゅんじょよき みようちたてんわがのぞみかな 現世の 乱れを釐し順序よき 御代打樹てんわが望みかな |
御光話録7 S24. 3. 6 |
|
うつしよの みだれをただしじゅんじょよき みようちたてんわがのぞみかな 現し世の 乱れを釐し順序ある 御代打樹てむ我が望みかな |
地上天国4 S24. 3. 6 |
救主降臨 |
うつしよの もものなやみはかみよそに ひとのちえもてつくりしものなる 現世の 諸の悩みは神外に 人の智慧もて作りしものなる |
「栄光」
227 S28. 9.23 |
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うつしよは いまだみろくのよのすがた みえねどひそかにめぐみそめける うつし世は 未だ弥勒の世の姿 見えねどひそかに芽ぐみ初めける |
光宝会資料 S25. 1. 1 | 新年御歌 祭典時23 |
うつしよは いまだみろくのよのすがた みえねどひそかにめぐみそめける 現世は 未だ弥勒の世の姿 見えねどひそかに芽み初めける |
地上天国13 S24.12.21 |
大浄化 |
うっすらとあきのいろにそまった なだらかなおかのせんが ながれて なんとあおいそらだ うつすらと秋の色に染つた なだらかな丘の線が 流れて 何と蒼い空だ |
山と水
0240 S 6. 9.20 |
秋(二) |
うつそみの すくいはかぎりあるものぞ たまのすくいはじゆうむげなる 現身の 救ひは限りあるものぞ 霊の救ひは自由無碍なる |
御讃歌集 (改)459 |
きゅうれい 救 霊 |
うつそみの よにてはかなわぬみすくいの わざもかなわんたまのみくには 現身の 世にては叶はぬ御救の 業も叶はん霊の御国は |
御讃歌集 (改)456 |
きゅうれい 救 霊 |
うづみびを はさみてはおきはさみては おきつしばしをおもいにふける 埋み火を はさみては置きはさみては 置きつしばしを思ひにふける ※埋み火=灰の中にうずめた炭火。いけ火。 |
山と水
0383 S 6.12.23 |
寒 夜 |
うつらうつら まどろむみみにこえありて はっとさむればなみいるまめひと うつらうつら まどろむ耳に声ありて はつと醒むれば並ゐる信徒 |
地上天国48 S28. 5.25 |
嵯峨紀行 07 |
うつらうつら むしのなくねにあきのよの そのしずけさをしばししたしむ うつらうつら 虫の鳴く音に秋の夜の その静けさを少時親しむ |
山と水
0207 S 6.**.** |
虫 |
うつりかわり しげきがよにもかわらぬは としのめぐりてはるぞたつなる 移り易り 繁きが世にも易らぬは 年の周りて春ぞ立つなる |
明麿近詠集 S21. 2. 5 |
193 黎 明 |
うつりすみて いまだなずさぬへやながら そこらみまわすたのしさにおり うつり住みて 未だなづさぬ部屋ながら そこら見廻すたのしさにをり |
山と水
1211 S10. 4.10 |
新 居 |
うつりたての たどたどしさのかたづきて つねのこころにかえりけるきょう うつりたての たどたどしさの片付きて 常の心にかえりける今日 |
山と水
1116 S 9. 5.16 |
この頃 麹町に移りて |
うつりゆく よのさままえつにしらせらる まめひとのさちおおいなるかも 移りゆく 世の状前つに知らせらる 信徒の幸大いなるかも |
「栄光」
194 S28. 2. 4 |
|
うつりゆく よのたどしさにこぞほぎし このひもとおきゆめとおもほゆ 移りゆく 世のたどしさに去年祝ぎし 此日も遠き夢と思ほゆ |
明麿近詠集 S21. 2. 5 |
175 立 春 |
うつりゆくの なんぞはやきやわがさだめ ひとつきたらずにかくもなりしか うつりゆくの 何ぞ速きやわが運命 一月足らずにかくもなりしか |
山と水
1168 S10. 1.10 |
吾 |
うないごも おにをもひしぐたけきおも じひのおんめにしたいよるかも うない兒も 鬼をも拉ぐ猛き男も 慈悲の御眼に慕い寄るかも |
御讃歌集 128 |
のりのはな 法の華 |
うないごを だきてやりたくおもいつも いくひたちしよきょうもくれける うない児を 抱きてやりたく思ひつも 幾日経ちしよ今日も暮れける ※うない児=髫児。髪をえり首までたらした子。幼児。 |
山と水
0388 S 6.12.23 |
暮近し |
うなばらの そこいはかくもふゆがれの はやしにつきのひかりただよい 海原の 底ひはかくもや冬枯の 林に月の光ただよい |
山と水
1179 S10. 2.10 |
冬の月 |
うねうねと よせくるおとはなみとなり わがみみすぐもかねのひびかい うねうねと よせくる音は波となり わが耳過ぐも鐘のひびかい |
山と水
0524 S 7. 3.10 |
鐘の音 |
うばたまの やみはれにけりかんのんの たまのみひかりかがよいそめて 烏羽玉の 闇晴れにけり観音の 玉の御光輝よい初めて |
御讃歌集 021 |
ぐせのひかり 救世之光 |
うばたまの やみよになれしひとのめに まばゆかるらむかみのひかりは 烏羽玉の 暗世に慣れし人の眼に 眩ゆかるらむ神の光は |
御讃歌集 183 |
れいめい 黎 明 |
うばたまの やみよになれしひとのめに まばゆかるらんかみのひかりは 烏羽玉の 暗夜に馴れし人の目に 眩ゆかるらむ神の光は |
御讃歌集 (改)172 |
てんちかいめい 天地開明 |
うばたまの よるのおわりとなりにけり はやひんがしにあかときのかね 烏羽玉の 夜の終りとなりにけり はや東にあかときの鐘 |
御讃歌集 223 |
夜の終り |
うばたまの よるのおわりとなりにけり はやひんがしにあかときのかね 烏羽玉の 夜の終りとなりにけり はや東にあかときの鐘 |
御讃歌集 (改)027 |
光明世界 |
※烏羽玉の=「闇」「夜」「夢」などにかかる枕詞。奴羽玉。ヒオウギの黒い種子。 | ||
うまのとしは はねあがるとうことわざを ふとうかべけりけさのひととき 午の年は 跳ね上るとふ諺を ふと浮かべけり今朝の一とき |
S29. 1. 1 | 新年御詠 祭典時02 |
うまのとしは はねあがるとうことわざを ふとうかべけりけさのひととき 午の年は 跳ね上るとう諺を ふと浮かべけり今朝の一とき |
地上天国
57 S29. 2.25 |
新年御詠 |
うまるるも しぬるもふかきわけあるを しらでよびとをみちびきうべしや 生まるるも 死ぬるも深きわけあるを 知らで世人を導き得べしや |
御讃歌集 (改)333 |
せいしいちにょ 生死一如 |
うみかぜは ほほにつめたくはしにかかる ひといそぐなりきてきのなかを 海風は 頬に冷く橋にかかる 人いそぐなり汽笛の中を |
山と水
0680 S 8.**.** |
品川 (八ツ山橋) 新東京を詠む |
うみぞいの きゅうかいどうはひとどおり まばらなりけるいえなみふりにし 海ぞいの 旧街道は人通り まばらなりける家並古にし |
山と水 0678 S 8.**.** | 品川(鮫洲) 新東京を詠む |
うみちかく こむらありけんそのあした おきいでみればけむりほのみゆ 海近く 小村ありけむその朝 起きいでみれば煙ほの見ゆ |
明麿近詠集 S16. 1. 1 |
070 |
うみのもに ゆうもやこむもはろかなる ぎょそんにほかげまたたきはじめぬ 海の面に 夕靄こむもはろかなる 漁村に灯光またたきはじめぬ |
山と水
0183 S 6. 8.15 |
海 |
うみやまの けいかんをせにびのらくど われはつくりぬあたみのおかに 海山の 景観を背に美の楽土 吾は造りぬ熱海の丘に |
S28.12.23 | 御聖誕祭 御歌17 |
うみやまの けいかんをせにびのらくど われはつくりぬあたみのおかに 海山の 景観を背に美の楽土 吾は造りぬ熱海の丘に |
地上天国
56 S29. 1.25 |
御生誕祭 御詠 |
うみやまの けしきうるわしあさなさを いでゆにつかるあたみよきかな 海山の 景色美わし朝なさを 温泉に浸る熱海好きかな |
御讃歌集 276 |
熱海※朝なさ(朝朝、毎朝) |
うみやまの けしきうるわしいでゆわき あたみはこのよのてんごくなるかも 海山の 景色美はし温泉湧き 熱海は此世の天国なるかも |
御讃歌集 (改)363 |
熱 海 |
うみやまの ながめよきかなゆたかなる いでゆもありてあたみあかなき 海山の 眺め好きかな豊かなる 温泉もありて熱海飽かなき |
明麿近詠集 S20. 2.14 |
197 熱 海 |
うめがかの におうにわべにわれたちて はるたつきょうのおもいふかしも 梅ケ香の 匂ふ庭辺に吾佇ちて 春立つ今日の思ひ深しも |
明麿近詠集 S24. 2. 4 |
378 立 春 |
うめがかの におうにわべにわれたちて はるたつきょうのおもひふかしも 梅が香の 匂ふ庭辺に吾立ちて 春立つ今日の思ひ深しも |
御光話録4 S24. 2. 4 |
立春の 御歌 |
うめがかの におうにわべにわれたちて はるたつきょうのおもひふかしも 梅ケ香の 匂ふ庭辺に吾たちて 春立つ今日の思ひ深しも |
地上天国3 S24. 4.20 |
立春御歌 |
うめさくら はじめももはなうえなんと ところえらびぬりっしゅんのきょう 梅桜 初め百花植えなむと 所えらびぬ立春の今日 |
地上天国16 S25. 8.15 |
瑞雲天国 |
うめのむら くれゆくころやくさのいえの けむりははなのあたりにまつわる 梅の村 くれゆくころや草の家の けむりは花のあたりにまつわる |
山と水
0469 S 7. 1.16 |
春の気はい |
うめはちり さくらはさきてぼけつつじ はやいろづきぬはるいそがしも 梅は散り 桜は咲きて木瓜躑躅 はや色づきぬ春いそがしも |
地上天国
59 S29. 6.15 |
熱海の春 |
うめばやし ぬいつあおげばおぽろよの つきはすみえをえがくにわのも 梅林 縫ひつ仰げば朧夜の 月は墨絵を描く庭の面 |
明麿近詠集 S21. 2.22 |
212 |
うらおもて たくみにあしらうえらびとの おちゆくさまのいとあわれなる 裏表 巧みにあしらふえら人の 落ちゆく状のいと哀れなる |
明麿近詠集 S22. 1. 8 |
300 新世界 |
うらぎられたげんじつを ゆめにしようとくふうしてもみた 裏切られた現実を 夢にしようと工夫してもみた |
山と水
0420 S 6.12.25 |
憤 る |
うらづたい あさすなふみつゆくみみに ちどりのなくねしきりなりけり 浦づたい 朝砂踏みつゆく耳に 千鳥の鳴く音しきりなりけり |
山と水
0172 S 6. 8.15 |
海 |
うらにわは ひとのあゆまずめずらしき こけいちめんにはなさえもみゆ 裏庭は 人の歩まず珍らしき 苔一面に花さえもみゆ |
山と水
0820 S 8. 4.10 |
青 苔 |
うらはれし そらにめぶきのさやけさよ きゃくとかたらいながらめのそる うらはれし 空に芽ぶきのさやけさよ 客と語らいながら眼の外る ※うら=心 |
山と水
1088 S 9. 3. 6 |
春 閑 |
うらやまは ひぐらしのこえかどのたは かえるなくなりふるさとのいえ 裏山は 蜩の声角の田は 蛙鳴くなりふるさとの家 |
山と水
0933 S 8. 8.21 |
蜩 |
うららかな そらさしかわすかれだに にいめみいでしけさのよろこび うららかな 空さし交す枯枝に 新芽みいでし今朝のよろこび |
山と水
0746 S 8. 2. 4 |
浅 春 |
うららかに ひざすあさなりあきのそら すけるはりどはみなきらめける うららかに 陽ざす朝なり秋の空 すける玻璃戸はみなきらめける |
山と水
0610 S 7.11.25 |
秋晴れ |
うららけき ひすじにうごのくさのはら みどりさやかにもえたぎろえる うららけき 日條に雨後の草野原 緑さやかに萌えたぎろえる |
山と水
1189 S10. 3.11 |
雨 後 |
うららびよ おとめごたちのわらびかる かげはやわぐさのうえにひけるも うらら陽よ 乙女子たちの蕨狩る 影はやわ草の上に引けるも |
山と水
0471 S 7.**.** |
春の山 |
うるはしき げいじゅつをもてばんみんの みたまたかむるわざぞとうとき 美しき 芸術をもて万民の 身魂高むる業ぞ尊き |
地上天国38 S27. 7.25 |
|
うるわしき うましのみよはあれんとし うみのなやみのときぞいまなる 麗はしき 美しの御代は生れんとし 生みの悩みの時ぞ今なる |
明麿近詠集 S17.1223 |
133 還暦の歌 |
うるわしき てんごくのかたやまのえに つくりてもろびとたのしますわれ 美はしき 天国の型山の上に 造りて諸人楽します吾 |
地上天国51 S28. 8.25 |
箱根の夏 10 |
うるわしき てんごくらくどのじっそうは ひとのちえもてはかりがたなき 美はしき 天国楽土の実相は 人の智慧もて測りがたなき |
岡田茂吉全集 S25. 2. 4 |
立春御歌 祭典時21 |
うるわしき なれがすがたにしのぶるは てんごくのそのにまうめがみなり 美しき 汝が姿に偲ぶるは 天国の苑に舞ふ女神なり |
山と水
0399 S 6.12.23 |
彼 女 若き日の頃 |
うるわしき はなにあこがるひとこそは はなにもにたるこころもつなり 美はしき 花に憧る人こそは 花にも似たる心もつなり |
明麿近詠集 S24. 5.** |
406 |
うるわしき はなにあこがるひとこそは はなにもにたるこころもつなり 美はしき 花に憧る人こそは 花にも似たる心もつなり |
地上天国6 S24. 7.20 |
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うるわしき はなにあこがるひとこそは はなにもにたるこころもつなり 美はしき 花に憧る人こそは 花にも似たる心持つなり |
御讃歌集 (改)410 |
ぐうかん 偶 感 |
うるわしき はなにかこまれうみやまの ながめあかなきしんせんきょうはも 美はしき 花にかこまれ海山の 眺め飽かなき神仙郷はも |
明麿近詠集 S24. 8.18 |
450 神仙郷 |
うるわしき はなにみいりておもうかな かみのめぐみのいともふかきを 美わしき 花に見入りて意うかな 神の恵みのいとも深きを |
御讃歌集 100 |
地上天国 |
うるわしき はなみるごとにおもうかな かみのたくみのたえなるみわざを 美はしき 花見る毎に意ふかな 神のたくみの妙なる御技を |
明麿近詠集 S24. 5.** |
405 |
うるわしき はなみるごとにおもうかな かみのたくみのたえなるみわざを 美はしき 花見る毎に意ふかな 神のたくみの妙なる御技を |
地上天国6 S24. 7.20 |
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うるわしき はなみるごとにおもうかな かみのめぐみのいかにふかきを 美はしき 花見る毎に憶ふかな 神の恵みの如何に深きを |
御讃歌集 (改)344 |
安心立命 |
うるわしき ぶんかのころもにきかざりて しこのみかくすひとこそあわれ 美はしき 文化の衣に着飾りて 醜の身隠す人こそ哀れ |
「栄光」
211 S28. 6. 3 |
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うるわしき ももはなちはなはやまうずめ てんごくらくどをしのばするなり 美はしき 百花千花は山埋め 天国楽土を偲ばするなり |
御讃歌集 (改)388 |
瑞雲天国 (二) |
うるわしく とうときひとのからたまに きずつくるしゅじゅつぞかみはなげかん 麗しく 尊き人の体魂に 傷つくる手術ぞ神は歎かむ |
地上天国30 S26.11.25 |
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うれしきは じごくにもにしわがすぐせ いつしかわすらいてんごくのさま 嬉しきは 地獄にも似し我過去 いつしか忘らひ天国のさま |
御讃歌集 (改)349 |
安心立命 |
うれしきは めしいのひとのかみのふみに まなこひらくることにぞありける 嬉しきは 盲の人の神の書に 眼開くる事にぞありける |
地上天国31 S26.12.25 |
全集未収録 |
うれしくも すくいのみわざはようやくに うみのそとまでひろごりにける 嬉しくも 救ひの御業はやうやくに 海の外まで広〔拡〕ごりにける |
S28. 3.23 | 春季大祭 御歌04 |
うれしくも すくいのみわざはようやくに うみのそとまでひろごりにける 嬉しくも 救いの御業はやうやくに 海の外まで拡ごりにける |
地上天国47 S28. 4.25 |
春季大祭 御詠 |
うろこぐも みずにうつりてそよそよと しょかのうらかぜたもとふくなり うろこ雲 水に映りてそよそよと 初夏の浦風袂ふくなり |
山と水
0081 S 6. 7. 1 |
水郷めぐり |
うわつらの ちえはすすめどまことなる ちえなきひとのひにふゆるよや 上面の 智慧は進めど真なる 智慧なき人の日に殖ゆる世や |
地上天国39 S27. 8.25 |
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うんめいの うずはひにひにひろごりて ちきゅうはやがてまきこまれなん 運命の 渦は日に日に拡ごりて 地球はやがて捲込まれなむ |
「栄光」
188 S27.12.25 |