――― 岡 田 自 観 師 の 御 歌 集 ――― |
明麿近詠集 昭和24年11月30日発行 486首収録
序 文 この歌集は、昭和十一年より最近までのもので、忙中の間折に触れ時に臨み、出づるがままの感想をものしたものである。故に神歌あり道歌あり舒情歌あり、舒 景歌あり、多感多彩である私が経て来た信仰生活の一面が織込まれているのは勿論で、特に信仰人としては何物か心の糧を見出すであろう。 この書の数ある歌の中には、深き神秘を含むものもあるが、これは読む人の身魂次第に映るのであるから、一字一句も忽(ゆるが)せにせず心を罩(こ)めて読まれん事である。 昭和二十四年十月 熱海の寓居にて 東 山 明 麿 |
||
元 旦(がんたん) | ||
1 | ひんがしの そらあかあかとにちりんは くもをやぶりてのぼりそめける ひむがしの 空あかあかと日輪は 雲をやぶりて昇り初めける |
S11. 1. 1 |
2 | よのおわり いよいよちかみおおいなる ひかりはいましのぼらんとすも 夜の終り いよいよ近み大いなる 光は今し昇らんとすも |
S11. 1. 1 |
3 | ふじのゆき あかねにそめてにちりんは いましみそらにかがやきそめける 富士の雪 茜にそめて日輪は 今しみ空に輝き初めける |
S11. 1. 1 |
4 | おおふじの ゆきくれないにひはそめぬ はじらうおとめのおもわにもにて 大富士の 雪くれないに日は染めぬ はじらう乙女の面わにも似て |
S11. 1. 1 |
春の訪れ | ||
5 | かれのはら てらすひざしにはるみえて なんとはなしにのどけさのきょう 枯野原 照す陽射しに春みえて 何とはなしにのどけさの今日 |
S11. 2.13 |
6 | あさけれど はるはみえけりこみぞがわ みずのせせらぎかそかながらも 浅けれど 春は見えけり小溝川 水のせせらぎかそかながらも |
S11. 2.13 |
7 | はるきぬる はたけにのこんのゆきあれど つめたからなくうすらかぎらう 春来ぬる 畑に残んの雪あれど 冷たからなくうすらかぎらふ |
S11. 2.13 |
8 | きさらぎの すえともなればはるめきて ふゆかればやしまひにあかるき 如月の 末ともなれば春めきて 冬枯林真陽に明るき |
S11. 2.13 |
9 | いなかみち とおりすがりにめにつくは つちのなだりにはるにじむいろ 田舎道 通りすがりに眼につくは 土のなだりに春にじむ色 |
S11. 2.13 |
10 | みはるかす かれももばやしうすらにも かぎろいみえぬはるちかむるや 見はるかす 枯桃林うすらにも かぎろひ見えぬ春近むるや |
S11. 2.13 |
11 | はるのひの のどかなひかりにせいせいし むぎのほだちのととのいみえて 春の日の のどかな光に生々し 麦の穂立のととのひ見えて |
S11. 3.29 |
12 | ひびかよう のべのみちしばあおずみて はたけのはるもひろごりにける 日々通ふ 野辺の道芝青ずみて 畑の春もひろごりにける |
S11. 3.29 |
13 | おとたてて はるさめならぬあまおとに こころみだるるひもすがらなる 音立てて 春雨ならぬ雨音に 心みだるる日もすがらなる |
S11. 3.29 |
14 | さみだれと おもうばかりにおとたつる はるさめのひのうっとうしけれ 五月雨と 思ふばかりに音たつる 春雨の日のうつとうしけれ |
S11. 3.29 |
15 | ゆずりはの みどりすがすがしあさばれの さつきのそらのしたをくぎろい ゆづり葉の 緑清々し朝晴れの 五月の空の下をくぎろひ |
S11. 3.29 |
16 | たんぽぽは いまさかりなりしかすがに はるはにわべにふかまりにつつ たんぽぽは 今盛りなりしかすがに 春は庭辺に深まりにつつ |
S11. 3.29 |
真 理 | ||
17 | ぜんあくを きめたるせつなしんりちょう ものはせんりのさきににげたる 善悪を 決めたる刹那真理てふ ものは千里の先に逃げたる |
S11. 5.15 |
18 | ゆきしもを しのぎしのぎてこのはなの さくやもたらすかみのよのはる 雪霜を しのぎしのぎて兄の花の 咲やもたらす神の代の春 |
S11. 5.15 |
19 | とこはるの ひがんはろかにみゆるなり おしえのみふねにすすみゆくみは 常春の 彼岸はろかに見ゆるなり 教の御舟に進み行く身は |
S11. 5.15 |
20 | いちりんの しぐみはうらのまたうらの そのまたうらのうらのうらなり 一厘の 仕組は裏の又うらの 其又裏の裏のうらなり |
S11. 5.15 |
美しき此世 | ||
21 | とことはに おおあめつちのさかゆるは もものうごきのくるいなければ 永遠に 大天地の栄ゆるは 諸の動きの狂ひなければ |
S11. 5.** |
22 | いとやすき かみのまみちをよそにして なやみつづくるひとのおろかさ いとやすき 神の真道をよそにして なやみつづくる人の愚かさ |
S11. 5.** |
23 | つつがなく ひとひのわざをなしおえて かえればたのしくさいしまちおり 恙なく 一日の業をなしおえて 帰れば楽しく妻子待ちをり |
S11. 5.** |
24 | あめつちに はじぬあかるきたのしみを たのしむひとこそしあわせびとなる 天地に 恥じぬ明るき楽しみを たのしむ人こそ倖せ人なる |
S11. 5.** |
25 | むつましく さいしとかたらいゆうげする こよなきたのしさあるよなりけり 睦しく 妻子と語らひ夕餉する 此上なき楽しさある世なりけり |
S11. 5.** |
26 | こうみょうの かがやくみちへねもごろに みちびきたもうかんぜおんかも 光明の 輝く道へねもごろに 導きたもふ観世音かも |
S11. 5.** |
27 | かぎりなく さかえゆくらんかんのんぎょうは かみのさだめしまみちにありせば 限りなく 栄えゆくらん観音行は 神の定めし真道にありせば |
S11. 5.** |
28 | ひととして ふむべきみちとつとむべき わざとしあるなりゆめなくるいそ 人として ふむべき道と務むべき 業としあるなり夢な狂ひそ |
S11. 5.** |
29 | よきことを かさねあかるくひをおくる ひとははてなくさかえゆくなり 善き事を 重ね明るく日を送る 人は果なく栄えゆくなり |
S11. 5.** |
30 | やすらけく たのしくいくるひとのよと すのおおかみはつくられしなる 安らけく 楽しく生くる人の世と 主の大神は造られしなる |
S11. 5.** |
31 | めにみえぬ むげのこうみょうまくばりつ よをきよめますうづのみほとけ 目に見えぬ 無碍の光明間くばりつ 世を浄めますうづの御仏 |
S11. 5.** |
32 | いとたかき かみのめぐもうちえこそは こよなきひとのちからなりけり いと高き 神の恵まふ智慧こそは 此上なき人の力なりけり |
S11. 5.** |
33 | こんこんと いずみのごとくわきいづる みょうちをたまうかんのんかしこし 滾々と 泉の如く湧きいづる 妙智を賜ふ観音畏し |
S11. 5.** |
34 | あめつちと むだはてもなくさかゆるは かんのんぎょうのみちにぞありける 天地と むだ果もなく栄ゆるは 観音行の道にぞありける |
S11. 5.** |
玉 川 郷 | ||
35 | しらゆきを かつぐふじがねすがしくも うつすたまがわまたなくよろしも 白雪を かつぐ富士ケ嶺清しくも うつす多摩川又なくよろしも |
S11. 5.** |
36 | ふじがねを はろかにながめたまがわの きよきながれをなつかしむさと 富士ケ嶺を はろかに眺め玉川の 清き流をなつかしむ郷 |
S11. 5.** |
37 | つきゆきに はなにとりのねむしのこえ あかぬながめのたまがわのさと 月雪に 花に鳥の音虫の声 あかぬ眺めの玉川の里 |
S11. 5.** |
38 | だいこうみょう にょらいこのどにあもりなば あめがしたにはさやるまがなし 大光明 如来此土に天降りなば 天ケ下にはさやる曲なし |
S11. 5.** |
39 | すみつきて しきのながめにことかかじ かみのさだめしそのにしあれば 住みつきて 四季の眺めに事かかじ 神の定めし苑にしあれば |
S11. 5.** |
40 | みちのべに さくはなにさえさだめあり とこにいけらるものもありせば 途の辺に 咲く花にさえ運命あり 床に活けらるものもありせば |
S11. 5.** |
41 | はなちれど みはみのるらんあめつちは さかえはてなきものにしあれば 花ちれど 実はみのるらん天地は 栄え果てなきものにしあれば |
S11. 5.** |
42 | こんじきの ひかりまばゆくかがやいて くもよりくだるめしやかんのん 金色の 光まばゆくかがやいて 雲より降るメシヤ観音 |
S11. 5.** |
○ | ||
43 | ながまなこ めしいにありやながみみは きくらげなりやみちきらうとは 汝が眼 盲にありや汝が耳は 木耳なりや道きらふとは |
S15.12.23 ※全集未収録 |
44 | よきことを あしとみらるるよにありて なにをかせんやふところですも 善き事を 悪しとみらるる世にありて 何をかせんや懐手すも |
S15.12.23 |
45 | よのために つくすまびとはいつのよも いばらのみちをくぐるものにや 世の為に 竭す真人は何時の世も 茨の道をくぐるものにや |
S15.12.23 |
46 | さかしらの よのつづかめやみひかりの かがやきそむればたださるならん 逆しらの 世の続かめや御光の 輝き初むれば釐さるならん |
S15.12.23 |
47 | よのおわり ちかむけはいのひしひしと みにせまるなりよびとめざめよ 世の終り 近む気配の犇々と 身に迫るなり世人目覚めよ |
S15.12.23 |
48 | いかならん いたつきとてもいやすすべ もてどほどこすよしなきよにもや 如何ならん 病きとても癒す術 もてど施すよしなき世にもや |
S15.12.23 |
49 | くしびなる わがさだめかもかみほとけ ひとかあらずかとくよしもなき 奇びなる わが運命かも神仏 人かあらずか解くよしもなき |
S15.12.23 |
50 | きりすとも しゃかもふたたびうまれこよ なれとわれとのちからためさん 基督も 釈迦も再び生れ来よ 汝と吾との力試さん |
S15.12.23 |
51 | あるときは ぼさつともなりあるときは にょらいともなりよびとすくわん 或時は 菩薩ともなり或時は 如来ともなり世人救はん |
S15.12.23 |
52 | ちょうじんの ちからかくしてすさみゆく このうつしよをしずかにみまもる 超人の 力隠して荒みゆく 此現世を静かに視護る |
S15.12.23 |
53 | あたらしき よぞうまんとしくになやみ ひとはあえぎてつくるをしらず 新しき 世ぞ生まんとし国悩み 人は喘ぎて尽くるを知らず |
S15.12.23 |
54 | よのおわり きたらんとしてみすくいの ひかりはしずかにのぼりそめけり 世の終 来らんとして御救の 光は静かに昇り初めけり |
S15.12.23 |
55 | ひとびとは いろをうしないものはみな ほろびんとしてめしやくだらん 人々は 色を失ひ物は悉 滅びんとして救主降らん |
S15.12.23 |
56 | えいこうの くもにかがやきもろもろの かんこのこえにくだるきりすと 栄光の 雲に暉き億兆の 歓呼の声に降るキリスト |
S15.12.23 |
57 | まがかみに かつときはきぬもものみの たまはわがてにいまはいらんとすも 曲神に 勝つ時は来ぬ桃の実の 玉はわが掌に今入らんとすも |
S15.12.23 |
58 | おおかみの はかせたまいしこのつるぎ あだなすしこぐさうちきりはらわん 大神の 佩かせ給ひし此剣 仇なす醜草打伐り払はん |
S15.12.23 |
59 | にょいのたま ふるわんときぞせまるらし このうつしよのさまをしみれば 如意の珠 揮はん時ぞ迫るらし 此現し世の状をしみれば |
S15.12.23 |
60 | こしかたを ふりさけみればよのつねの ひととあまりにちがうわれはも 越方を 振さけみれば世の常の 人とあまりにちがふ吾はも |
S15.12.23 |
61 | いくちたび やまさかこえてようやくに やすけきみちにきしここちすも 幾千度 山坂越えてやうやくに 安けき路に来し心地すも |
S15.12.23 |
62 | ゆくてには こうみょうみえてむねぬちに きぼうのいずみわきいづるなり 行手には 光明見えて胸ぬちに 希望の泉み湧き出づるなり |
S15.12.23 |
63 | このちから ああこのちからうちふるう ときのきつるのもどかしきかな 此力 嗚呼此力打揮ふ 時の来つるのもどかしきかな |
S15.12.23 |
64 | こうりゅうも ときをえざればちのそこに ひそみかくるるほかなかりけり 蛟龍も 時を得ざれば地の底に 潜み隠るる外なかりけり |
S15.12.23 |
65 | おもしろし ああおもしろしおにがしまの まつろうときのちかまるらしも 面白し あゝ面白し鬼ケ島の 服ふ時の近まるらしも |
S15.12.23 |
66 | しろきものを くろとみくろきをしろとみる よのさかしらをたださでおかめや 白きものを 黒と見黒きを白とみる 世の逆しらを正さでおかめや |
S15.12.23 |
67 | あらしふく しおのやしおぢこえにきつ ひがんみゆるぞたのしかりける 嵐吹く 潮の八潮路越えに来つ 彼岸みゆるぞ楽しかりける |
S15.12.23 |
68 | ひとのやまい いやしのすべをよのやまい いやしのすべにひろげんとするわれ 人の病 医しの術を世の病 医しの術に拡げんとする吾 |
S15.12.23 |
69 | くにとくに ひととひととのはてもなき いさかいとむるはかみのほかなき 国と国 人と人との涯もなき 争ひ止むるは神の外なき |
S15.12.23 |
70 | うみちかく こむらありけんそのあした おきいでみればけむりほのみゆ 海近く 小村ありけむその朝 起きいでみれば煙ほの見ゆ |
S16. 1. 1 |
71 | ほのぼのと うみべはあけぬやまかげに しづがふし〔せ〕やのいつつむつみえ ほのぼのと 海辺は明けぬ山かげに 賤が伏屋の五つ六つ見え |
S16. 1. 1 |
72 | はつひので のぼるにつれてうみちかき ささやささやにはたなどみゆも 初日の出 昇るにつれて海ちかき 小家小家に旗などみゆも |
S16. 1. 1 |
73 | ひんがしの そらあかりしぬいさりびと ふねだすらしくきしにうごめく ひむがしの 空明りしぬ漁りびと 舟出すらしく岸にうごめく |
S16. 1. 1 |
74 | あさまだき とうげくだればうみちかき むらのいえいえけむりたつなり 朝まだき 峠下れば海ちかき 村の家々けむり立つなり |
S16. 1. 1 |
75 | わざわいは いよいよしげくくにぐにの たみあえぐなりさらつよちかし 禍は いよいよ滋く国々の 民喘ぐなり新つ世幾し |
S16. 1.22 |
76 | ちょうじんの ちからによらでいかにして くずれゆくよをささえうべきや 超人の 力に依らで如何にして くづれゆく世を支え得べきや |
S16. 1.22 |
77 | ひさかたの くもいにそびゆるふじがねの けだかきすがたによをぞわするる 久方の 雲井に聳ゆる富士ケ嶺の けだかき姿に世をぞ忘るる |
S16. 1.22 |
78 | ぬばたまの やみよにあれどゆくてには こうみょうかがやくわれらにぞある 奴羽玉の 暗世にあれど行手には 光明輝く吾等にぞある |
S16. 1.22 |
79 | おおいなる かみのめぐみをうくみには いかならんよのきぬとてやすけし 大いなる 神の恵を受く身には 如何ならん世の来ぬとて泰けし |
S16. 1.22 |
80 | るいらんの あやうきよとはなりにける かみにいのらでいかにとやなん 累卵の 危き世とはなりにける 神に祈らで如何にとやなん |
S16. 1.22 |
81 | まがつよの ほろぶにつれてまことなる ひとのかがやくときのうれしさ 曲津世の 滅ぶにつれて真なる 人の暉く時のうれしさ |
S16. 1.22 |
82 | きりすとや しゃかにもまさるすくいぬし あもらざりせばよはいかならめ 基督や 釈迦にも優る救主 天降らざりせば世は如何ならめ |
S16. 1.22 |
83 | ちのうえの よろずのわざわいぬぐいさり てんごくたつるときぞまたるる 地の上の 万の禍ひ拭ひ去り 天国建つる時ぞ待たるる |
S16. 1.22 |
84 | ちのうえの あだはほろびてあたらしき ただしきみよのあるるうれしさ 地の上の 仇は滅びて新しき 正しき御代の生るるうれしさ |
S16. 1.22 |
85 | はてもなき このどのうえのわざわいは かみのみそぎのわざにぞありける 果もなき 此土の上の禍ひは 神の禊の業にぞありける |
S16. 1.22 |
86 | まちわびし てんごくらくどはわれらすむ このちのうえにうちたつるなり 待ち佗びし 天国楽土は吾等住む 此地の上に打ち樹つるなり |
S16. 1.22 |
87 | あらしふく よをよそにしてふうげつを ともとしわれはしずかにいきなん 嵐吹く 世を他所にして風月を 友とし我は閑かに生きなん |
S16. 1.22 |
88 | このひごろ えふでにいそしみあくときは はろかなふじをながめつたらう この日ごろ 絵筆にいそしみ飽く時は はろかな富士を眺めつ足らふ |
S16. 1.22 |
89 | いやかたき まことのみちをあゆむみは いかならんよのくるもおそれじ 弥固き 真の道を歩む身は 如何ならん世のくるも懼れじ |
S16. 1.22 |
90 | えがくひま まどのとみればたまがわの ながれきよけくふじははろかなる 描くひま 窓の外見れば玉川の 流れ清けく富士はろかなる |
S16. 1.22 |
91 | よのやまい いやせとてもやおおかみは わがあゆむみちかえたまいける 世の病 医せとてもや大神は 我歩む道換へ給ひける |
S16. 1.22 |
92 | ふじがねの しらゆきたまのましみずに こころあらえとやかみのみむねの 富士ケ嶺の 白雪多摩の真清水に 心洗へとや神の御むねの |
S16. 1.22 |
元伊勢に詣でて (於琵琶湖ホテル) | ||
93 | あまてらす くにやすかれときょうはしも いせのみみやにいのりけるかな 天照す 国安かれと今日はしも 伊勢の神宮に祈りけるかな |
S16. 5.23 |
94 | あこがれの もといせにきてかみつよの かしこきことのおもいづるかも あこがれの 元伊勢に来て上つ代の 畏き事の思いづるかも |
S16. 5.23 |
95 | まがかみの さやるくにばらしずめさせ たまえといのりぬいせのみみやに 曲神の さやる国原鎮めさせ 玉へと祈りぬ伊勢の神宮に |
S16. 5.23 |
96 | ぬばたまの やみをはらしてあきらけき よとなさしめよいせのおおかみ 奴羽玉の 暗を晴らして明けき 世となさしめよ伊勢の大神 |
S16. 5.23 |
箱根熱海紀行 | ||
97 | かんれいの もみじめでんとこのあした かどをいづればあきぞらたかし 函嶺の 紅葉賞でんと此朝 門を出づれば秋空高し |
S16.10.** |
98 | はれすみし あきぞらくぎりやまなみは むさしののすえはてなにみゆも 晴澄みし 秋空くぎり山並は 武蔵野の末果てなにみゆも |
S16.10.** |
99 | ゆぎょうじに くるまをとどめもうづれば かんじゃくにしてがらんふりける 遊行寺に 車を止め詣づれば 閑寂にして伽藍古りける |
S16.10.** |
100 | ふじさわや つじどうあたりまつなみき つづかいむかしのたびをしのびぬ 藤沢や 辻堂あたり松並木 つづかひ昔の旅を偲びぬ |
S16.10.** |
101 | あきなれや しぎたつさわにさいぎょうの あわれとどめぬいまのよにまで 秋なれや 鴫立沢に西行の あはれとどめぬ今の世にまで |
S16.10.** |
102 | ひらつかや おおいそこえてまつのまに はやみえそめぬはこねのやまやま 平塚や 大磯越えて松の間に はやみえそめぬ箱根の山々 |
S16.10.** |
103 | いさりぶね みつよつういておだわらの うみはあきひのもとにしずけし 漁船 三つ四つ浮いて小田原の 海は秋日の下に静けし |
S16.10.** |
104 | あたみなる おおのやのやどのよんかいの おばしまにたいへいようをひさにながめぬ 熱海なる 大野屋の宿の四階の おばしまに太平洋を久に眺めぬ |
S16.10.** |
105 | じゅっこくとうげ くるまのまどゆのぞきみれば まなづるあたりのうみえのごとし 十国峠 車の窓ゆのぞきみれば 真鶴あたりの海絵のごとし |
S16.10.** |
106 | さわやかな あきのさんきをこころゆく ばかりすいつつきょうをたらいぬ 爽やかな 秋の山気を心ゆく ばかり吸ひつつ今日を足らいぬ |
S16.10.** |
107 | あきあさく もみじにはまだはやけれど めずらしきはなわがめをうばう 秋浅く 紅葉には未だ早けれど 珍らしき花わが眼をうばう |
S16.10.** |
108 | ろうさんの ひるなおくらきみちぬけて はこねじんじゃにもうでけるかな 老杉の 昼尚暗き径抜けて 箱根神社に詣でけるかな |
S16.10.** |
109 | かみやまや こまがたけなどもみじあさく ゆのまちいまだあきひそかなり 神山や 駒ケ嶽など紅葉浅く 温泉の町いまだ秋ひそかなり |
S16.10.** |
立 春 | ||
110 | ほのぼのと あけゆくあさのしずもりを ひとひらふたひらさくらばなちる ほのぼのと 明けゆく朝の静もりを 一片二片桜花散る |
S17. 4.10 |
111 | じゃはほろび せいはさかゆるたるみよの きつるよろこびひたにまつなり 邪は滅び 正は栄ゆる足御代の 来つる喜びひたに待つなり |
S17. 4.10 |
112 | ちょうじんの ちからかくしつひとのため よのためふるうときぞまたるる 超人の 力秘しつ人の為 世の為揮う時ぞ待たるる |
S17. 4.10 |
113 | おおいなる しめいにいくるわれにして つきにあくがれはなをぞたのしむ 大いなる 使命に生くる吾にして 月にあくがれ花をぞ楽しむ |
S17. 4.10 |
114 | せいこううびょう はるふかみゆくこのひごろ にわづくりなどたのしむもわれ 晴耕雨描 春深みゆく此日比 庭造りなど楽しむも吾 |
S17. 4.10 |
115 | たまがわを ましたにふじのれいほうを はろかにながむるわがいおのにわ 玉川を 真下に富士の霊峯を はろかに眺むる吾庵の庭 |
S17. 4.10 |
116 | あさやけの そらをうずめてわがにわの さくらはいましさきさかりおり 朝やけの 空をうづめて吾庭の 桜は今し咲き盛りをり |
S17. 4.10 |
117 | えがきつつ あくればにわにおりたちて はななどめでつさすらいにける 描きつつ 飽くれば庭に降りたちて 花など愛でつさすらひにける |
S17. 4.10 |
118 | わがにわの ながめのよきをしりにける こぞおちこちのたびをめぐりて 吾庭の 眺めの好きを知りにける 去年をちこちの旅を巡りて |
S17. 4.10 |
119 | えがきつつ おりおりまどのそとみれば もももさくらもいまさかりなり 描きつつ 折をり窓の外みれば 桃も桜も今盛りなり |
S17. 4.10 |
120 | みもしらぬ かずかずのひとすくわるる はなしなどききたらうこのよい 見も知らぬ 数かずの人救はるる 話など聞き足らう此宵 |
S17. 4.10 |
還暦の歌 | ||
121 | もとつこよみに かえりしきょうゆわがいのち ひとのよのためいやつかわめや 本つ暦に 還りし今日ゆわが生命 人の世の為いや尽わめや |
S17.1223 |
122 | たまきはる こころにちかえりぐせのため ひたにつくさんきょうをさかいに 魂機張る 心に誓えり救世の為 ひたに尽さむ今日を境に |
S17.1223 |
123 | ただならぬ よとはなりけりおおかみの まもりあるみのなどおそれなん ただならぬ 世とはなりけり大神の 守りある身のなど恐れなん |
S17.1223 |
124 | かむながら かみのまにまにすすまなん まがのさえぎるみちせまくとも 惟神 神のまにまに進まなん 曲の遮ぎる道狭くとも |
S17.1223 |
125 | ろくじゅうねん ふりさけみればやえむぐら いばらのみちしよくぞこえきし 六十年 振りさけみれば八重葎 茨の道しよくぞ越え来し |
S17.1223 |
126 | おおいなる しめいにいくるわれにして ちからかぎりによぞすくわなん 大いなる 使命に生くる我にして 力限りに世ぞ救はなん |
S17.1223 |
127 | いたつきに なやめるひとびとみるなべに むねのちしおはもえたぎるなり 病きに 悩める人びと見るなべに 胸の血潮は燃え沸るなり |
S17.1223 |
128 | かむながら きょうのよきひをむかえてゆ いざだいどうをむみいでんかな 惟神 今日の吉き日を迎えてゆ いざ大道を履み出でんかな |
S17.1223 |
129 | あくはほろび ぜんはさかゆるあくがれの ただしきみよはあれなんとすも 悪は滅び 善は栄ゆるあくがれの 正しき御代は生れなんとすも |
S17.1223 |
130 | いまはしも むそぢのさかをのりこえて きゅうせいいちずのさらつのいのちよ 今はしも 六十路の坂を乗り超えて 救世一途の新つの生命よ |
S17.1223 |
131 | まがつかみ しきりにすさぶるこのときぞ せかいじんわれはふるいたつなり 曲津神 荐りに荒ぶる此秋ぞ 世界人吾は奮ひ起つなり |
S17.1223 |
132 | いさかいと うえとやまいのはてしなき よはかみのみがちからなりけり 争ひと 飢と病の果しなき 世は神のみが力なりけり |
S17.1223 |
133 | うるわしき うましのみよはあれんとし うみのなやみのときぞいまなる 麗はしき 美しの御代は生れんとし 生みの悩みの時ぞ今なる |
S17.1223 |
134 | こうせいの よきひむかえてわれはいま きぼうわきみちむねおどるなり 更生の よき日迎えてわれは今 希望湧き満ち胸躍るなり |
S17.1223 |
135 | やまやたに いばらのみちもふみわけて きょうのよきひにめぐりけるわれ 山や谷 茨の道も踏み分けて 今日の吉き日にめぐりけるわれ |
S17.1223 |
立 春 | ||
136 | ことしはも たつはるのひのいとふかき いぎありなんとひそかにおもう 今年はも 立つ春の日のいと深き 意義ありなんと私かにおもう |
S18. 2. 5 |
137 | ちはやぶる かみのみわざはみだれたる みちもただしくたてなおしまさん 千早振る 神の御業は乱れたる 道も正しく建て直しまさむ |
S18. 2. 5 |
138 | とこやみの よはあけぬらんことしはも たつはるのきょうさかいともなり 常暗の 世は明けぬらむ今年はも 立つ春の今日境ともなり |
S18. 2. 5 |
139 | ながきよの ひとのいのちをうちひらく かぎこそいやしのみわざなるらん 永き夜の 人の生命を打開く 鍵こそ医しの神業なるらむ |
S18. 2. 5 |
140 | ふたつなき とうときいのちあやまれる いやしのわざにほろぶこひつじ 二つなき 尊き生命誤れる 医しの業にほろぶ小羊 |
S18. 2. 5 |
141 | かみのため つくすとうときいのちなり などいたつきにかかるべしやは 神の為 尽す尊き生命なり など病きに罹るべしやは |
S18. 2. 5 |
142 | とうとくも かみよりうけしいのちなれば おろそかにすなみちをしまもりて 尊くも 神より禀けし生命なれば 疎かにすな道をし守りて |
S18. 2. 5 |
143 | すこやかに ひとのつとめをはたすこそ かみのめぐみにむくゆなりけり 健かに 人の務を果すこそ 神の恵みに報ゆなりけり |
S18. 2. 5 |
144 | あめがした このどのうえにやむひとの なきよつくらんわがねがいかも 天ケ下 此土の上に病む人の なき世造らんわが願ひかも |
S18. 2. 5 |
145 | おおけなや かみのまもりのあつくして わがなすわざのひびにさかゆる おほけなや 神の守りの渥くして わが作す業の日日に栄ゆる |
S18. 2. 5 |
146 | ゆめにだも おもわぬのぞみしとげなむ やまいのなやみなきたるみよを 夢にだも 想はぬ望み仕遂げなむ 病の悩みなき足御代を |
S18. 2. 5 |
147 | あやまれる いやしのすべにむらきもの いのちちじむるあわれよびとよ 誤れる 医しの術に村肝の 生命縮むるあはれ世人よ |
S18. 2. 5 |
148 | たましらぬ いやしのすべにふたつなき いのちをすつるとこやみのよや 霊知らぬ 医しの術に二つなき 生命を捨つる常暗の世や |
S18. 2. 5 |
149 | うたてきは くすりのどくをしらずして いのちちぢむるひとにありける 歎てきは 薬の毒を知らずして 生命縮むる人にありける |
S18. 2. 5 |
150 | いたつきを いやさんとしていたつきを ますくすりのむあわれよのひと 病きを 医さんとして病きを 増す薬のむあはれ世の人 |
S18. 2. 5 |
151 | やまいなく ひんなくあらそいなきみよを うちたてんとしてよるひるいそしむ 病なく 貧なく争なき御代を うち樹てんとして夜日いそしむ |
S18. 2. 5 |
152 | もろびとの とどかぬねがいとあきらめし やまいなきよをわれうちたつるなり 諸人の とどかぬ願とあきらめし 病無き世を吾打建つるなり |
S18. 2. 5 |
153 | しろがねも こがねもたまもなにかあらん いのちにまさるたからなければ 銀も 黄金も珠も何かあらむ 生命に勝る宝なければ |
S18. 2. 5 |
154 | ためしなき さらつのみよをたてんとし このどきよむるうづのかむわざ 例しなき 新つの御代を樹てんとし 此土浄むる珍の神業 |
S18. 2. 5 |
155 | くにぐにの わざわいいよよふかまりぬ さらつのみよのあるるきざしや 国々の 殃ひいよよふかまりぬ 新つの御代の生るるきざしや |
S18. 2. 5 |
立春其他 (於東京大東亜会館発表) | ||
156 | としごとに はるたちそむるきょうのひを まことのひとたちよせてほぐわれ 年毎に 春立ち初むる今日の日を 誠の人たち集せて祝ぐ吾 |
S19. 2. 5 |
157 | あずさゆみ はるたちそむることしはも ただならぬよのせまりきぬらし 梓弓 春立ち初むる今年はも ただならぬ世の迫り来ぬらし |
S19. 2. 5 |
158 | けがれたる ものみなほろびあたらしき うましのみよはあれなんとすも 穢れたる もの悉滅び新しき 美しの御代は生れなんとすも |
S19. 2. 5 |
159 | たたかいに うえにやまいになやむひの あとにひかりのよぞきつるらん 戦ひに 飢に病になやむ日の 後に光の世ぞ来つるらむ |
S19. 2. 5 |
160 | いかならん わざわいせまりきぬるとて やすけからめやかみにあるひと 如何ならん 災迫り来ぬるとて 安けからめや神にある人 |
S19. 2. 5 |
161 | よのおわり こころにきざむひとにして さらつのみよにいきとおすらん 世の終り 心にきざむ人にして 新つの御代に生きとほすらむ |
S19. 2. 5 |
162 | ちはやぶる かみつよとなりこうみょうの あまねくてらすよぞまたれぬる 千早振 神つ代となり光明の 偏〔遍〕く照らす世ぞ待たれぬる | S19. 2. 5 |
163 | まがつかみ いかにはやるもめにみえぬ かみのちからにはむかいえめや 曲津神 如何に逸るも眼に見えぬ 神の力に刃向ひ得めや |
S19. 2. 5 |
164 | みもたまも むしばむやくどくしらずして もとむるひとをみるぞかなしき 身も霊も 蝕ばむ薬毒知らずして 求むる人を見るぞ悲しき |
S19. 2. 5 |
165 | たまきはる いのちをけずるものとしらず さがしもとむるめしいぞあわれ 魂機張る 生命を削るものとしらず 探し求むる盲ぞ哀れ |
S19. 2. 5 ※全集未収録 |
166 | にくをきり ほねをけずりてちをしぼる いやしのわざをただしたくぞおもう 肉を斬り 骨を削りて血を搾る 医しの業を正したくぞ思ふ |
S19. 2. 5 |
167 | よをすくう かみのみむねをうべないて われなしとげんいやしのわざを 世を救ふ 神のみむねを諾いて 吾成し遂げむ医しの業を |
S19. 2. 5 |
168 | いまにして もものあやまりたださざれば ひとのよやがてあやうしとぞおもう 今にして 諸の誤り匡さざれば 人の世やがて危しとぞ思ふ |
S19. 2. 5 |
169 | かにかくに われもしこのどにうまれずば ひとのこのよはいかになりなん かにかくに 吾もし此土に生れずば 人の此世は如何になりなむ |
S19. 2. 5 |
170 | むらきもの いのちのかぎりたたかわん このよほろぼすまがのたくみと 村肝の 生命の限り戦はん この世滅ぼす曲のたくみと |
S19. 2. 5 |
171 | ときなれや ああときなれやいまはしも まにのちからのよにいづるなり 時なれや 嗚呼時なれや今はしも 麻邇の力の世にいづるなり |
S19. 2. 5 |
172 | きりすとも しゃかもとげざるきゅうせいの おおきみわざをわれなしとげん キリストも 釈迦も遂げざる救世の 大き御業を吾成し遂げん |
S19. 2. 5 |
立 春 (立春大会) | ||
173 | ほのぼのと はるたちそめぬよをすくう わがかむわざのゆくてにもにて ほのぼのと 春立ち初めぬ世を救う わが神業の行手にも似て |
S21. 2. 5 |
174 | あずさゆみ はるたちそむるきょうはしも よにもめでたきひとなりぬらん 梓弓 春立ち初むる今日はしも 世にも芽出度き日となりぬらむ |
S21. 2. 5 |
175 | うつりゆく よのたどしさにこぞほぎし このひもとおきゆめとおもほゆ 移りゆく 世のたどしさに去年祝ぎし 此日も遠き夢と思ほゆ |
S21. 2. 5 |
黎 明 | ||
176 | もろびとの やみをさまようなかにありて ひかりのみちをいさみゆくわれら 諸人の 闇をさ迷う中にありて 光の道を勇みゆく吾ら |
S21. 2. 5 |
177 | ときめきし くにつかさらつぎつぎに おちゆくさまのあわれなりける 時めきし 国の司等次つぎに 落ちゆくさまの哀れなりける |
S21. 2. 5 |
178 | やみのよは あけなんとしてしずけさを やぶるひびきのさやがしきかも 闇の世は 明けなんとして静けさを 破る響きのさやがしきかも |
S21. 2. 5 |
179 | きみがよは ちよにやちよとうたわれし かたきいしずえゆらぎそめける 君ケ代は 千代に八千代と謳はれし 固き礎揺ぎ初めける |
S21. 2. 5 |
180 | ひさかたの あまつみひかりさしそめて しこのみたまのかくるるひまなき 久方の 天津御光射し初めて 醜の御魂の隠るるひまなき |
S21. 2. 5 |
181 | やそまがつ おちゆくときとなりにけり うましのみくにけがせしとがにて 八十曲津 落ちゆく時となりにけり 美しの御国穢せし咎にて |
S21. 2. 5 |
182 | みちとせの やみのとばりはあけはなれ こうみょうかがやくとうかいのしま 三千歳の 暗の帳は明け放れ 光明輝やく東海の島 |
S21. 2. 5 |
183 | まごころの ちからによらでくずれゆく このひのもとをささえうべきや 真心の 力によらで崩れ行く 此日之本を支え得べきや |
S21. 2. 5 |
184 | まがびとの たくみしたたかいやぶれけるは かみのまもりのあかしにぞある 曲人の 企みし戦ひ敗れけるは 神の守りの証しにぞある |
S21. 2. 5 |
185 | まがかたは とつくにびととおもいしに あらでほこりしかみのくになる 曲方は 外国人と思ひしに あらで誇りし神の国なる |
S21. 2. 5 |
186 | えいこうの はるきたりなばしづしづと メシヤのあもるときぞまたるる 栄光の 春到りなばしづしづと 救主の天降る秋ぞ待たるる |
S21. 2. 5 |
187 | はれるや はれるや かがやいて しょうりのみやこへあもるきりすと ハレルヤ ハレルヤ 輝いて 勝利の都へ天降るキリスト |
S21. 2. 5 |
188 | よのおわり しるやしらずやらちもなき ことにさまようひとのあわれさ 夜の終り 知るや知らずや埒もなき 事にさ迷ふ人のあわれさ |
S21. 2. 5 |
189 | いままさに ほろびんとするこのくにを すくわせたまえあめつちのかみ 今正に 滅びんとする此国を 救はせ給へ天地の神 |
S21. 2. 5 |
190 | よのおわり はやちかめるをしらぬげに はなたかびとのきおいぞあわれ 夜の終り はや近めるを知らぬげに 鼻高人の勢ひぞあわれ |
S21. 2. 5 |
191 | いすくわし いすずのかわのみなもとの にごりきよむるときとなりぬる いすくわし 五十鈴の川の源の 濁り浄むる時となりぬる |
S21. 2. 5 |
192 | ながきよを ふみにじられしののくさも めばえそめけりはるたちてより 長き世を 踏み躙られし野の草も 芽生え初めけり春立ちてより |
S21. 2. 5 |
193 | うつりかわり しげきがよにもかわらぬは としのめぐりてはるぞたつなる 移り易り 繁きが世にも易らぬは 年の周りて春ぞ立つなる |
S21. 2. 5 |
熱 海 | ||
194 | ためしなき わがかむわざにくらぶれば ふりしおしえのいとちさきかな 例しなき わが神業に比ぶれば 古りし教のいと小さきかな |
S20. 2.14 |
195 | いにしえの ひじりのみちもおおかみの ひかりにてらされいまひらかんとすも 古への 聖の道も大神の 光に照され今開かんとすも |
S20. 2.14 |
196 | まひるまの ひかりにてらされよるのもの みなほろびゆくさまをしるなり 真昼間の 光に照され夜のもの みな滅びゆく状をしるなり |
S20. 2.14 |
197 | うみやまの ながめよきかなゆたかなる いでゆもありてあたみあかなき 海山の 眺め好きかな豊かなる 温泉もありて熱海飽かなき |
S20. 2.14 |
198 | ふゆごもる へやのはりどにしずかなる いずのうなばらひびながめいぬ 冬籠る 部屋の玻璃戸に静かなる 伊豆の海原日々眺めゐぬ |
S20. 2.14 |
199 | みはるかす ももやまあたりにぎわしく ほかげのみえてあたみよきかな 見はるかす 桃山あたり賑はしく 灯光の見えて熱海好きかな |
S20. 2.14 |
200 | やまあおく うみしずかにてふたつみつ こじまのみゆるあたみにすむさち 山蒼く 海閑かにて二つ三つ 小島の見ゆる熱海に住む幸 |
S20. 2.14 |
201 | さながらに てんごくとおぼゆながめよき さんちひらきてよびとすくわん 宛らに 天国と覚ゆ眺めよき 山地ひらきて世人救はん |
S20. 2.14 |
閑 日 | ||
202 | おおいなる のぞみにもゆるこころおさへ うつりゆくよをしずかにみつるも 大いなる 望みに燃ゆる心おさえ 移りゆく世を静に観つるも |
S21. 2.21 |
203 | いちがつの なかばというにこうばいの ちらほらみゆるいずのゆのまち 一月の 半というに紅梅の ちらほら見ゆる伊豆の湯の町 |
S21. 2.21 |
204 | ながめよき あたみのさとのやまなみを まわりてたらうこのごろのわれ 眺め好き 熱海の里の山並を 回りて足らう此頃のわれ |
S21. 2.21 |
205 | ことみゆる あたみのうみのしずけさよ ながめもたらうはるのあさなさ 湖と見ゆる 熱海の海の静けさよ 眺め足らうも春の朝なさ |
S21. 2.21 |
206 | くにびとの あえぎさまようよにありて かみのみゆきにわがやすけかり 国人の 喘ぎさ迷う世にありて 神の御幸にわが安けかり |
S21. 2.21 |
207 | ふきすさぶ あらしをよそにこのひごろ うたにいそしむわれにぞありける 吹き荒ぶ 嵐を他所に此日比 歌にいそしむ吾にぞありける |
S21. 2.21 |
208 | ふゆがれの さびしきやまにしろじろと においぬるかなうめのひともと 冬枯の 寂しき山に白じろと 匂ひぬるかな梅の一本 |
S21. 2.21 |
209 | しらじらと まつのきのまにさきにおう うめにみとれつしばしたたずむ 白じらと 松の木の間に咲き匂ふ 梅に見惚れつしばし佇む |
S21. 2.21 |
210 | あずさゆみ はるあさけれどしらうめの ありどたずねてきょうもさすらう 梓弓 春浅けれど白梅の 在り処訪ねて今日も彷ふ |
S21. 2.21 |
211 | そぞろゆく まちところどころかんざくら さけるあたみよいちがつというに そぞろゆく 街ところどころ寒桜 咲ける熱海よ一月といふに |
S21. 2.21 |
○ | ||
212 | うめばやし ぬいつあおげばおぽろよの つきはすみえをえがくにわのも 梅林 縫ひつ仰げば朧夜の 月は墨絵を描く庭の面 |
S21. 2.22 |
213 | ふたつみつ こじまのくろくうかめおり あたみのやどのつきのよのまど 二つ三つ 小島の黒く泛めをり 熱海の宿の月の夜の窓 |
S21. 2.22 |
214 | まちのぞむ このうつしよにてんごくの あるるをしらぬよびとぞあわれ 待ち望む 此現し世に天国の 生るるを知らぬ世人ぞあわれ |
S21. 2.22 |
215 | まつあおく うみむらさきのまえにして しろきはうめかわがへやのまど 松青く 海紫の前にして 白きは梅かわが部屋の窓 |
S21. 2.22 |
216 | ひまあれば えふでにしたしみしょなどかき うたにいそしむこのごろのわれ 閑あれば 絵筆に親しみ書などかき 歌にいそしむ此頃のわれ |
S21. 2.23 |
正 邪 | ||
217 | しゅぎという ことばはせまきみちなれば すすみゆくほどゆきづまるなり 主義という 言葉は狭き道なれば 進みゆくほど行詰るなり |
S21. 3. 1 |
218 | もずすずめ いとさやがしきかもこのくにの たはたあらすなこころとどめて 百舌雀 いと騒しきかも此国の 田畠荒すな心とどめて |
S21. 3. 1 |
219 | じゃはせいに かたずとうたいしそのままに くにやぶれたりわするるなゆめ 邪は正に 勝たずと歌いしそのままに 国破れたり忘るるなゆめ |
S21. 3. 1 |
220 | たたかいに うちやぶれたるはよこしまの たくみのはてとしれよよのひと 戦ひに うち敗れたるは邪まの 企みの果てと知れよ世の人 |
S21. 3. 1 |
221 | いくさがみ などとうかみはよにあらじ かみはへいわのごんげなればなり 軍神 などとう神は世にあらじ 神は平和の権化なればなり |
S21. 3. 1 |
222 | いくさがみ などとうことばまがかみの よをいつわりしなにぞありける 軍神 などとう言葉は曲神の 世を佯はりし名にぞありける |
S21. 3. 1 |
223 | ひとをあやめ くにをそこなうわざこそは やそまがかみのたくみにぞある 人を殺め 国を傷ふ業こそは 八十枉神の企みにぞある |
S21. 3. 1 |
224 | すのかみは いきとしいけるものみなに いのちをたまいさちをめぐもう 主の神は 生きとし生けるもの悉に 生命を賜い幸を恵まう |
S21. 3. 1 |
225 | やまいなく うえなくたたかいなきみよを つくるぞかみのみむねなるらん 病無く 飢なく戦なき御代を 造るぞ神の御旨なるらん |
S21. 3. 1 |
226 | やおよろず かみはあれどもただしきと よこしまがみのあるよなりけり 八百万 神はあれども正しきと 邪ま神のある世なりけり |
S21. 3. 1 |
神 の 愛 | ||
227 | くにやぶれ あわれのぞみをうしなえる たみぐさのえにもはるはきぬめり 国破れ あわれ望みを失える 民草の上にも春は来ぬめり |
S21. 3. 3 |
228 | ちはやぶる かみのみくにとほこらかに うたいしゆめのさめてはかなき 千早振 神の御国と誇らかに 謳いし夢の醒めて儚なき |
S21. 3. 3 |
229 | よるのおわり せまりくるなりおおかみの よさしのみわざわがとげんかも 夜の終り 迫り来るなり大神の 任さしの御業わが遂げんかも |
S21. 3. 3 |
230 | いやはての さばきのひにぞおおかみの あいのみちからあらわれいでなん いやはての 審判の日にぞ大神の 愛の御力顕れ出でなん |
S21. 3. 3 |
231 | うえになき さむさにおびうもろびとの かてともならんわがかきしふみ 飢に泣き 寒さに慄う諸人の 糧ともならんわが記きし文 |
S21. 3. 3 |
232 | とこやみの よみちさまようよのひとの あかりとならんわがときしふみ 常暗の 夜途さ迷ふ世の人の 灯とならむわが説きし書 |
S21. 3. 3 |
233 | いそのかみ ふるきことどもついえゆくは さらつよちかむしるしなるらん 石の上 旧き事ども潰えゆくは 新つ世近む徴しなるらん |
S21. 3. 3 |
234 | キリストや しゃかにもみざるかむわざを おこなうくしきわがさだめかも 基督や 釈迦にも見ざる神業を 行う奇しき我運命かも |
S21. 3. 3 |
235 | いにしえゆ あまたせいじゃのとなえたる よげんをわれはあかさんとすも 古えゆ 数多聖者の唱えたる 予言を吾は証さんとすも |
S21. 3. 3 |
真の大和魂 | ||
236 | しきしまの やまとごころとひととわば あさひににおうふじのしらゆき 敷島の 大和心と人問はば 朝日に匂う富士の白雪 |
S21. 3. 3 |
237 | とうかいの しまねにはゆるふじがねは へいわのみよのすがたとやみん 東海の 島根に映ゆる富士ケ嶺は 平和の御代の姿とや見ん |
S21. 3. 3 |
238 | もののふの となえしやまとだましいは みないつわりのものにぞありける 武士の 唱えし日本魂は みな偽りのものにぞありける |
S21. 3. 3 |
239 | あめがした みなはらからとおもうなり わがひのもとのやまとごころは 天ケ下 悉同胞と思うなり わが日の本の大和心は |
S21. 3. 3 |
240 | いさかいを いといへいわをこのむこそ かみのつくりしやまとだましい 争ひを 厭い平和を好むこそ 神のつくりし大和魂 |
S21. 3. 3 |
241 | たいらけく よのおさまるをねがうこそ かみのまことのやまとだましい 平けく 世の治るを願ふこそ 神の誠の大和魂 |
S21. 3. 3 |
242 | ものたらぬ わがひのもとのくにびとよ ものにはあらでまことなりけり 物足らぬ わが日の本の国人よ 物にはあらで誠なりけり |
S21. 3. 3 |
吾 | ||
243 | ろくじゅうごねん ふりさけみればまがかみと ときじくたたかいつづけきしかも 六十五年 ふりさけみれば曲神と 非時戦い続け来しかも |
S21. 3. 6 |
244 | あるときは ねっとうにいりあるときは はくひょうふみしかこのわれかな 或時は 熱湯に入り或時は 薄氷踏みし過去の吾かな |
S21. 3. 6 |
245 | まがかみを ことむけやわしよきかみと あらためにつつわれはきしかな 曲神を 言向和しよき神と 改めにつつ吾は来しかな |
S21. 3. 6 |
246 | ひにつきに いやさかえゆくわがわざは かみのみむねにそうにやあらん 日に月に 弥栄えゆくわが業は 神の御旨に添ふにやあらむ |
S21. 3. 6 |
247 | たまきはる とうときいのちたまいしと よろこぶひとのいよよふえつも 魂機張る 尊き生命賜ひしと 欣ぶ人のいよよ殖えつも |
S21. 3. 6 |
248 | さだまれる ひとのいのちをわれはしも かむわざをもてままにかゆるも 定まれる 人の生命を吾はしも 神業をもて侭に換ゆるも |
S21. 3. 6 |
249 | いまはしも きえなんとするふたつなき たまのおつなぐわがかみわざよ 今はしも 消えなんとする二つなき 魂の緒つなぐわが神業よ |
S21. 3. 6 |
250 | いにしへゆ ひとのいのちはままならぬ ものとされきぬはかなさのよや 古ゆ 人の生命はままならぬ ものとされ来ぬ儚なさの世や |
S21. 3. 6 |
251 | きりすとの きせきをいまにあらわしつ よびとをすくうひとつくるわれ キリストの 奇蹟を今に表はしつ 世人を救ふ人造るわれ |
S21. 3. 6 |
252 | まのふちに しずまんとするあだびとに さちとよろこびあたうわれはも 魔の淵に 沈まんとする仇人に 幸と歓び与ふ吾はも |
S21. 3. 6 |
253 | ぬばたまの やみにさまようもろびとを こうみょうのみちにいざのうわがわざ 奴羽玉の 暗にさ迷ふ諸人を 光明の道に誘ふわが業 |
S21. 3. 6 |
254 | むらきもの こころのめしいをいやしつつ すくいのかどにいざのうわれかな 村肝の 心の盲を医しつつ 救ひの門に誘ふわれかな |
S21. 3. 6 ※全集未収録 |
255 | すぎしかた ふりさけみればただびとと ちがうさだめのわれにぞありける 過ぎし方 振さけみれば常人と ちがふ運命の吾にぞありける |
S21. 3. 7 |
256 | よのつねの ひとのさだめとちがうなり かみのめぐみのいやふかくして 世の常の 人の運命とちがうなり 神の恵みのいや深くして |
S21. 3. 7 |
257 | いとせまき しゅぎとうみちをつくりつつ すすみがてなるひとのおおかり いと窄き 主義とう道を作りつつ 進みがてなる人の多かり |
S21. 3. 7 |
258 | うえになく たみよそにしてあらそいに ひもこれたらぬあわれものしり 飢に号く 民よそにして争ひに 日もこれ足らぬ哀れ物識り |
S21. 3. 7 |
259 | いかならん みちもたやすくすすむなり まことのつえにすがりゆきなば 如何ならん 道も容易く進むなり 誠の杖に縋り行きなば |
S21. 3. 7 |
260 | うきなやみ しげきよなれどこころやすく わたるはまことのつえもてばなり 憂き艱み 滋き世なれど心安く 渡るは誠の杖もてばなり |
S21. 3. 7 |
261 | とうときは まことなりけりくろがねの いわおもとおすちからなりせば 尊きは 誠なりけり鉄の 巌も通す力なりせば |
S21. 3. 7 |
時 | ||
262 | ときめきし ものいまはしもささやかに いくるをききてなにかかなしき 時めきし もの今はしも小やかに 生くるを聞きて何か悲しき |
S21. 3.10 |
263 | じゃはすたれ せいはさかゆるひのもとの あるるをまちしわれにぞありける 邪は廃れ 正は栄ゆる日の本の 生るるを待ちし吾にぞありける |
S21. 3.10 |
264 | ときつかぜ ふききよめけりながきよの ちりやあくたのなごりとどめで 時津風 吹き浄めけり長き世の 塵や芥の名残とどめで |
S21. 3.10 |
265 | かみかぜは ふきいでにけりこのくにに つもりしちりをはらわんとして 神風は 吹きいでにけり此国に 積りし塵を払はんとして |
S21. 3.10 |
266 | ひのもとを きよめんとしてかためしなき おおかみかぜはふきあれにける 日の本を 浄めんとてか例しなき 大神風は吹きあれにける |
S21. 3.10 |
267 | とこしへに みどりさかゆるときわぎの まつもたおれぬかみかぜのふき 永久に 緑栄ゆる常盤〔磐〕木の 松も倒れぬ神風の吹き |
S21. 3.10 |
268 | ちはやぶる かみのみくにをかみかぜの ちりもとどめずふきぞきよめよ 千早振 神の御国を神風の 塵もとどめず吹きぞ浄めよ |
S21. 3.10 |
269 | かみかぜに ふきまくられてこのくにの しこのくさきはみなたおれけり 神風に 吹き捲くられて此国の 醜の草木はみな倒れけり |
S21. 3.10 |
春の訪れ | ||
270 | りょうそでに みさきまなかにはつしまや おおしまはろけしわがにわにたてば 両袖に 岬真中に初島や 大島はろけしわが庭に佇てば |
S21. 3.13 |
271 | つえをひく のべのかれくさふゆながら とおやまなみにうすがすみみゆ 杖をひく 野辺の枯草冬ながら 遠山並に薄霞見ゆ |
S21. 3.13 |
272 | またれぬる はるはきぬるかおちこちの やまむらさきにかすみたちそむ 待たれぬる 春は来ぬるか遠近の 山紫に霞立ち初む |
S21. 3.13 |
273 | まつのまに しらじらみゆはしらうめか さくらにもやとしばしまどいぬ 松の間に 白じらみゆは白梅か 桜にもやと少時まどいぬ |
S21. 3.13 |
和光同塵 | ||
274 | ちりにまじり ひかりなごめつしずやかに ときまつわれのみにぞありける 塵に同り 光和めつ静やかに 時待つ吾の身にぞありける |
S21. 3.18 |
275 | なをかくし ちからかくしてきゅうせいの いしずえひそかにきずくわれはも 名を隠し 力匿して救世の 礎窃かに築く吾はも |
S21. 3.18 |
276 | めにみえぬ ちからをふるいよをすくう わがかみわざのくしびなるかも 眼に見えぬ 力を揮ひ世を救ふ わが神業の奇びなるかも |
S21. 3.18 |
277 | いまはしも ちちゅうにひそむこうりゅうの よにいでなんとときをまちぬる 今はしも 池中に潜む蛟龍の 世に出でなんと時を待ちぬる |
S21. 3.18 |
278 | あめがした おさまるよのさまめにうかめ ときまつわれのたのしかりける 天ケ下 治まる世の状眼にうかめ 時待つ吾の楽しかりける |
S21. 3.18 |
279 | りによらず ほうにもよらずただとくに おさまるみよぞちじょうてんごく 理に偏らず 法にも倚らずただ徳に 治まる美代ぞ地上天国 |
S21. 3.18 |
280 | はるさめの そぼふるおとをみみにしつ うたなどものしきょうもくれける 春雨の そぼ降る音を耳にしつ 歌などものし今日も暮れける |
S21. 3.18 |
珍の神業 | ||
281 | わがかける もじそのままにおどるなり みなそれぞれにたまをいるれば わがかける 文字そのままに躍るなり 皆それぞれに魂を入るれば |
S21. 9. 8 |
282 | ひとつひとつの もじのちからによのひとの いのちをすくうくしきかむわざ 一つ一つの 文字の力に世の人の 生命を救う奇しき神業 |
S21. 9. 8 |
奇しき神業 | ||
283 | さだまれる ひとのよわいをのばすてう まだなきわざをわれはおこなう 定まれる 人の齢を延すてう 未だなき業を吾は行う |
S21. 9.** |
284 | わがわざを うたがうひとはわがわざの まことをしらぬゆえにぞありける わが業を 疑ふ人はわが業の 真を知らぬ故にぞありける |
S21. 9.** |
285 | いにしえゆ ためしとてなきくしびさに わがわざうたがうひともあるなり 古ゆ ためしとてなき奇びさに わが業疑ふ人もあるなり |
S21. 9.** |
286 | もろびとの ねがうことどもかなえんと こころをくだくわれにぞありける 諸人の 願う事ども叶へんと 心を砕く吾にぞありける |
S21. 9.** |
287 | よのひとに さちをあたうるさちこそは なににもいやますさちとこそしれ 世の人に 幸を与うる幸こそは 何にも弥増す幸とこそ知れ |
S21. 9.** |
○ | ||
288 | てんごくを このちのうえにつくるとう みわざのもとにいくるわれかな 天国を 此地の上に造るとう 御業の下に生くる吾かな |
S21. 9.** |
地上天国 | ||
289 | てんごくは ちかづきにけりよのひとよ われにきたりてまなこひらけよ 天国は 近づきにけり世の人よ 吾に来りて眼開けよ |
S21.11. 7 |
290 | やまいなく ものみちたりてもろびとの えらぎよろこぶちじょうてんごく 病無く 物満ち足りて諸人の 歓ぎ喜ぶ地上天国 |
S21.11. 7 |
291 | はなわらい ももとりうたうはるののの のどけきさまぞちじょうてんごく 花笑い 百鳥歌う春の野の 長閑けき状ぞ地上天国 |
S21.11. 7 |
292 | しんぜんび まったくそなわるうつしよを ちじょうてんごくとわれはいうなり 真善美 完く備はる現し世を 地上天国と吾はいうなり |
S21.11. 7 |
大 浄 化 | ||
293 | ひとのよの ちりもあくたものこりなく あらいきよむるときぞきぬめり 人の世の 塵も芥も残りなく 洗ひ浄むる時ぞ来ぬめり |
S22. 1. 5 |
294 | めずらしき ちじょうてんごくうちたつる かみのみわざのだいじょうかかな 珍らしき 地上天国打樹つる 神の御業の大浄化かな |
S22. 1. 5 |
295 | ながきよを つもりつもりしつみけがれ れいかにいまややきはらわんとすも 永き世を 積りつもりし罪穢 霊火に今や燃き祓はんとすも |
S22. 1. 5 |
新 世 界 | ||
296 | あたらしき よはあたらしきつちのうえに うちたてらるべきものにありなん 新しき 世は新しき土の上に 打樹てらるべきものにありなむ |
S22. 1. 8 |
297 | ときめきし ひとたちつぎつぎおちゆくは さらつよあるるしるしなるらん 時めきし 人達次つぎ落ちゆくは 新つ世生るる徴なるらん |
S22. 1. 8 |
298 | なやちいの なくもまことのあるひとの よにあらわるるときとなりぬる 名や地位の なくも誠のある人の 世に現はるる時となりぬる |
S22. 1. 8 |
299 | まことのちえ あいのひかりにあふれたる ひとのよにいづるみろくのみよかな 真の智慧 愛の光に溢れたる 人の世に出る五六七の御代かな |
S22. 1. 8 |
300 | うらおもて たくみにあしらうえらびとの おちゆくさまのいとあわれなる 裏表 巧みにあしらふえら人の 落ちゆく状のいと哀れなる |
S22. 1. 8 |
301 | よこしまの こころをかくしうるわしく かざりしひとのまつろぞあわれ 邪まの 心をかくし美はしく 飾りし人の末路ぞあはれ |
S22. 1. 8 |
302 | まつりごと ただしくなされもろびとの えらぎよろこぶみろくせいだい 政り事 正しくなされ諸人の 歓ぎ喜ぶ五六七聖代 |
S22. 1. 8 |
303 | いさかいを このむはけもののさがにして へいわをこのむひとぞひとなる 争ひを 好むは獣の性にして 平和を好む人ぞ人なる |
S22. 1. 8 |
304 | いさかいを このむけもののさがなくし へいわをこのむひとつくるわれ 争ひを 好む獣の性なくし 平和を好む人つくるわれ |
S22. 1. 8 |
誠 | ||
305 | ものたらぬ なやみのもとはもろびとの こころにまことのたらねばなりけり 物足らぬ 悩みの元は諸人の 心に誠の足らねばなりけり |
S22. 1.19 |
306 | あらそいや すとのかいけついとやすし まことごころにかたりあいなば 争や ストの解決もいと易し 誠心に語り合いなば |
S22. 1.19 |
307 | あたらしき へいわにほんをうちたつる ちからにこそはまことなりけり 新しき 平和日本をうち樹つる 力にこそは誠なりけり |
S22. 1.19 |
308 | まことなき ひとのつどいのかしましさ もずやすずめとひとしかりける 誠なき 人の集いの喧しさ 百舌鳥や雀と等しかりける |
S22. 1.19 |
309 | くにのなやみ つぎつぎおこるうたてさよ かみにそむけるとがにありせば 国の悩み 次つぎ起る嘆てさよ 神に背ける尤にありせば |
S22. 1.19 |
310 | かみをおそれ ただしきみちをまもるひと つくるぞわれのしめいなるらん 神を恐れ 正しき道を守る人 つくるぞわれの使命なるらん |
S22. 1.19 |
医しの業 | ||
311 | わがなせし いやしのわざのなかりせば ひとのこのよはいかになるらめ わが成せし 医しの業のなかりせば 人の此世は如何になるらめ |
S22. 2.24 |
312 | こんごうせきも こがねの〔も〕たまもなにかせん いのちのたからにうちくらぶれば 金剛石も 黄金の〔も〕玉も何かせむ 命の宝にうち比ぶれば |
S22. 2.24 |
313 | いたつきの なやみにあうてつくづくと すこやかなひのさちをしぞおもう いたつきの 悩みに遇ふて熟づくと 健かな日の幸をしぞ思う |
S22. 2.24 |
観 山 亭 | ||
314 | あしびきの あおがきやまのたたなはる なかにたてけるかんざんていかな 足曳の 青垣山の畳なはる 中に建てける観山亭かな |
S22. 9.15 |
315 | きくやかに あきぞらにうかむやまなみを あさなゆうなにみるしんきょかな きくやかに 秋空に浮む山並を 朝な夕なに観る新居かな |
S22. 9.15 |
316 | こけふりし にわのおおいしながめつつ かみよをしのぶわがいおのそと 苔ふりし 庭の大石ながめつつ 神代を偲ぶわが庵の外 |
S22. 9.15 |
317 | そそりたつ こけむすいわおのおごそかさ あきぞらたかくすみわたるした 聳り立つ 苔むす巌のおごそかさ 秋空高く澄み渡る下 |
S22. 9.15 |
318 | あきされど やまのもみじはいろあさく まなかいのやまいとまじかなり 秋されど 山の紅葉は色浅く まなかいの山いと真近なり |
S22. 9.15 |
319 | しらくもの ゆききせわしきなつのやま ながむるひまのたのしかりける 白雲の 去来せわしき夏の山 眺むるひまの楽しかりける |
S22. 9.15 |
大 峠 | ||
320 | ちじょうてんごく あれなんとすもまめひとよ みたまみがきをおこたるなゆめ 地上天国 生れなんとすも信徒よ 身魂磨きを怠るなゆめ |
S22.11. 8 |
321 | いくちとせ つもりつもりしちりあくた きよめたまえといのるわれはも 幾千歳 積りつもりし塵芥 浄め給えと祈る吾はも |
S22.11. 8 |
322 | ためしなき このうつしよのおおとうげ ひによにちかむをしるやしらずや 例しなき 此現世の大峠 日に夜に近むを知るや知らずや |
S22.11. 8 |
新 年 | ||
323 | あらたまの としをむかえてみもたまも いとすがしけれかみにあるみは 新玉の 年を迎へて身も魂も いと清しけれ神に在る身は |
S23. 1. 1 |
324 | とこやみの よをあきらけくはらさんと こうみょうにょらいはいでましにける 常暗の 世を明けく晴さんと 光明如来は出でましにける |
S23. 1. 1 |
325 | あらたまの としをむかえておもうかな かみのしぐみのいとたえなるを 新玉の 年を迎えて思うかな 神の仕組のいと妙なるを |
S23. 1. 1 |
326 | ぬばたまの やみじもすみてこうみょうの みちふみそむるここちこそすれ 奴羽玉の 暗路もすみて光明の 道ふみ初むる心地こそすれ |
S23. 1. 1 |
327 | じつげつち さんみいったいのみちからを そなえていでますみろくおおかみ 日月地 三位一体の御力を 具へて出でます五六七大神 |
S23. 1. 1 |
神 の 守 | ||
328 | すぎしかた ふりさけみればやえむぐら いばらのみちをよくぞこえきし 過ぎし方 振さけみれば八重葎 茨の道をよくぞ越え来し |
S23. 1. 1 |
329 | たえがたき なやみしのびついまあるは かみのめぐみのふかきにぞある 堪え難き 悩み忍びつ今あるは 神の恵の深きにぞある |
S23. 1. 1 |
330 | わがゆくて いかにはばむもいとやすく はらいきにけるみょうちりきかも わが行手 如何に阻むもいと易く 払い来にける妙智力かも |
S23. 1. 1 |
331 | ひにつきに いやさかえゆくわがわざの ちからはまことにいでければなり 日に月に いや栄えゆくわが業の 力は誠に出でければなり |
S23. 1. 1 |
332 | すくわれて えらぎよろこぶまめひとの おもみるごとになにもわすれぬ 救はれて 歓ぎ喜ぶ信徒の 面見る毎に何も忘れぬ |
S23. 1. 1 |
333 | かんぜおん ぼさつのみこころこころとし すすむひとこそまことのひとなる 観世音 菩薩の御心心とし 進む人こそ真の人なる |
S23. 1. 1 |
334 | くにあげて やみになやめるこのひごろ すくうはかみのひかりよりなき 国挙げて 闇に悩める此日比 救ふは神の光よりなき |
S23. 5. 1 |
335 | こうみょうの あまねくてらすよなりせば ちりやけがれのなどあるべしや 光明の 遍く照らす世なりせば 塵や汚れのなどあるべしや |
S23. 5. 1 |
楽しき世 | ||
336 | かむながら かみのまにまにすすむみは うきのこのよもたのしかりけり 惟神 神のまにまに進む身は 憂きの此世も楽しかりけり |
S23. 5.16 |
337 | いかならん くるしみとてもきえぬらん かみのみむねにそうみなりせば 如何ならむ 苦しみとても消えぬらむ 神の御旨に添ふ身なりせば |
S23. 5.16 |
338 | ただかみの おおみこころにまかすなり よわきちからのひとのみにあれば ただ神の 大御心に委すなり 弱き力の人の身にあれば |
S23. 5.16 |
339 | ひとのよは いともたのしきものぞかし たがいいにけんうきのよなりと 人の世は いとも楽しきものぞかし 誰が言いにけむ憂の世なりと |
S23. 5.16 |
340 | こころぬちに くもりありせばひとのよの まことのたのしみあらじとぞおもう 心ぬちに 曇りありせば人の世の 真の楽しみあらじとぞ思ふ |
S23. 5.16 |
341 | よのひとに さちあれかしとねぐひとの さちこそまことのさちとこそしれ 世の人に 幸あれかしと願ぐ人の 幸こそ真の幸とこそ知れ |
S23. 5.16 |
342 | われはただ かみのみむねにうちまかせ こころやすらにすすみゆくなり 吾はただ 神の御旨にうち委せ 心安らに進みゆくなり |
S23. 5.16 |
343 | まがかみの ちからのかぎりさわるとも かみをせにするわれらおそれじ 曲神の 力の限り障るとも 神を背にする吾ら恐れじ |
S23. 5.16 |
344 | まがかみを おそるるなかれまこともて ときまちぬればかならずやかたなん 曲神を 恐るる勿れ誠もて 時待ちぬれば必ずや勝たなん |
S23. 5.16 |
345 | じゅうぜんの かみのみまもりあるみには などまがかみのさやるべしやは 十全の 神の御護りある身には など曲神のさやるべしやは |
S23. 5.16 |
346 | えらびとと いわるるなかれありがたき ひとといわれんことをのぞめよ えら人と いはるる勿れ有難き 人といはれむ事を望めよ |
S23. 5.16 |
347 | ひとのちから いとどよわきをしりてより こころにやどるかみのいくたま 人の力 いとど弱きを知りてより 心に宿る神の生魂 |
S23. 5.16 |
○ | ||
348 | ろくじゅうねん ふりさけみればたかきやま ふかたにがわもよくぞこえきし 六十年 ふりさけみれば高き山 深谷川もよくぞ越え来し |
S23. 5.13 |
349 | みるひとの こころごころにうつるなり ひとのこのよのよしとあしとは 観る人の 心ごころに映るなり 人の此世の善しと悪しとは |
S23. 5.13 |
早雲寮初祭 | ||
350 | てんごくの かたつくらんとささやかな みやいつくりぬかんれいのえに 天国の 型作らんとささやかな 宮居造りぬ函嶺の上に |
S23. 5.** |
351 | おおかみの うづのみやいをうちたてし きょうのよろこびなににかたとえん 大神の 珍の宮居をうち樹てし 今日の慶び何にかたとえむ |
S23. 5.** |
352 | あなうれし したついわねにみやばしら ふとしきたててみかみむかえん あな嬉し 下津磐根に宮柱 太敷建てて御神迎えぬ |
S23. 5.** |
353 | ときみちて かみのゆにわのはつまつり まいきかがやくまめひとのおも 時満ちて 神の斎庭の初祭 参来かがやく信徒の面 |
S23. 5.** |
354 | かたちばかりの みやいにあれどまめひとの まことのこころよみさせたまえ 形ばかりの 宮居にあれど信徒の 誠の心嘉させ給え |
S23. 5.** |
355 | ちじょうてんごく いまぞはじ〔ま〕らんあたらしき みみやのたちしきょうをさかいに 地上天国 今ぞ肇らむ新しき 神宮の建ちし今日を境に |
S23. 5.** |
356 | ひかかたの あまつみかみはちのうえを きよめんとしてめしやをくだせり 久方の 天津御神は地の上を 浄めむとしてメシヤを下せり |
S23. 5.** |
357 | あもりにし みろくにおわすかむみたま いつきまつりぬきょうのよきひに 天降りにし 弥勒に在す神御霊 斎き奉りぬ今日の吉き日に |
S23. 5.** |
358 | ひとみずと つちとのしぐみありやかに まなこにうつるときはきにける 火と水と 土との経綸ありやかに 眼に映る時は来にける |
S23. 5.** |
359 | あめがした いたつきもなくいさかいも きえてゆたけきよぞきつるなり 天が下 病きもなく争ひも 消えてゆたけき世ぞ来つるなり |
S23. 5.** |
360 | こしかたを かえりみすればくしびなる われがすぐせにおもいふかきも 越方を 顧みすれば奇びなる われが宿命に想ひ深きも |
S23. 5.** |
石 楽 園 | ||
361 | あしびきの はこねのやまのながめよき ところえらみてさやかなやたてぬ 足曳の 箱根の山の眺めよき 所えらみて小やかな家建てぬ |
S23. 9.15 |
362 | わがしんきょ とりまくいわおのさわにして こけむすさまをあさゆうめづる わが新居 取巻く巌の沢にして 苔むすさまを朝夕賞づる |
S23. 9.15 |
363 | めずらしき おおいしこいしにいろどれる わがひろにわをせきらくえんとなづけぬ 珍らしき 大石小石に彩れる わが広庭を石楽園と名づけぬ |
S23. 9.15 |
364 | とこしへの よのいしずえといはがねの うえにたてけりすがしきいおりを 永久の 世の礎と巌ケ根の 上に建てけり清しき庵を |
S23. 9.15 |
365 | みはるかす じゅかいのはてにやわらかき せんをえがけるみょうじょうがたけ 見遥かす 樹海の涯に和かき 線を描ける明星ケ嶽 |
S23. 9.15 |
366 | それぞれの いわおのすがたをめでにつつ にわをさすらいたらうわれはも それぞれの 巌の姿を愛でにつつ 庭をさすらい足らふ吾はも |
S23. 9.15 |
367 | いまだよに なきめずらしきせきていを つくらんとするわがのぞみかな 未だ世に なき珍らしき石庭を 造らんとするわが望みかな |
S23. 9.15 |
○ | ||
368 | ながきよを しくみたまいしおおかみの かりとるときのせまりけるかも 長き世を 仕組み賜いし大神の 刈りとる時のせまりけるかも |
S23.10.15 |
369 | くにあえぐ いくまんおくのひとぐさの かんきにえらぐときぞまちぬる 苦に喘ぐ 幾万億の人草の 歓喜にえらぐ時ぞ待ちぬる |
S23.10.15 |
370 | えらばれし かみのはしらのいやつどい ちじょうてんごくうちたてんかも えらばれし 神の柱のいや集い 地上天国うち樹てんかも |
S23.10.15 |
○ | ||
371 | えんまんぐそく まったきのよはいまはしも あれんとするなりときたらいみち 円満具足 完きの世は今はしも 生れんとするなり時足らいみち |
S23.11. 3 |
372 | てんちじん じゅんじょただしきたるみよを みろくのみよとわれはいうなり 天地人 順序正しき足御代を 五六七の御代と吾は曰うなり |
S23.11. 3 |
立 春 | ||
373 | きびしかりし ふゆのさむさにとばりして いとおおらかにはるはたちけり 厳しかりし 冬の寒さに帳りして いと大らかに春は立ちけり |
S24. 2. 4 |
374 | かんざくら はやちりそめてあたたかき ゆのまちあたみのはるはたちけり 寒桜 はや散り初めて暖き 湯の町熱海の春は立ちけり |
S24. 2. 4 |
375 | しらうめの こずえにあたるひさきにも それとしらるるはるたちしきょう 白梅の 梢にあたる日さきにも それと知らるる春立ちし今日 |
S24. 2. 4 |
376 | ながかりし ふゆのさむさもはるたちて うめさきにおうそのをうかめぬ 永かりし 冬の寒さも春立ちて 梅咲き匂ふ園をうかめぬ |
S24. 2. 4 |
377 | ふゆすぎて たつはるのごとわがわざも はなさきにおうときとなりぬる 冬過ぎて 立つ春の如わが業も 花咲き匂ふ時となりぬる |
S24. 2. 4 |
378 | うめがかの におうにわべにわれたちて はるたつきょうのおもいふかしも 梅ケ香の 匂ふ庭辺に吾佇ちて 春立つ今日の思ひ深しも |
S24. 2. 4 |
379 | あずさゆみ はるたつきょうのうれしさよ まことのひとたちつどうこのよい 梓弓 春立つ今日の嬉しさよ 誠の人達つどふ此宵 |
S24. 2. 4 |
380 | たつはるを いわうこのよいでんとうの ほかげにはゆるひとびとのおも 立つ春を 祝ふ此宵電灯の 灯光に映ゆる人々の面 |
S24. 2. 4 |
救主降臨 | ||
381 | みろくのよ みえそむるともこころせよ まがはすきなくねらいつめおり 弥勒の世 見え初むるとも心せよ 曲は隙なく狙ひつめをり |
S24. 2.** |
382 | きりすとに さたんしゃかにはだいばあり われにもありぬもろもろのまが キリストに サタン釈迦には醍〔提〕婆あり 我にもありぬもろもろの曲 |
S24. 2.** |
383 | まがかみは いかにさやるもおそれまじ われにはかみのまもりありせば 曲神は 如何に障るも怖れまじ 我には神の守りありせば |
S24. 2.** |
384 | よのひとよ いまわがふるうちからより うえのちからはあらじとしれかし 世の人よ 今わが揮ふ力より 上の力はあらじと知れかし |
S24. 2.** |
385 | うつしよの みだれをただしじゅんじょある みようちたてんわがのぞみかも 現世の 乱れを釐し順序ある 御代打樹てむわが望みかも |
S24. 2.** |
386 | みろくとは ひみずつちのじゅんじょよき まったきのよをいうにぞありける 五六七とは 火水土の順序よき 完きの世をいふにぞありける |
S24. 2.** |
387 | わがふるう ちからはいまだうつしよに あらわれたることなきものにぞある わが揮ふ 力は未だ現世に 現れたる事なきものにぞある |
S24. 2.** |
388 | きりすとも しゃかもこうしもまほめっとも わがあれいづるときぞまたれん キリストも 釈迦も孔子もマホメットも わが現れ出づる時ぞ待たれん |
S24. 2.** |
389 | まちのぞむ めしやのちからもわがふるう ちからもおなじちからなりけり 待ち望む メシヤの力もわが揮ふ 力も同じ力なりけり |
S24. 2.** |
390 | えいこうの くもよりくだるきりすとの よにしれわたるときぞちかみぬ 栄光の 雲より降るキリストの 世に知れ渡る時ぞ近みぬ |
S24. 2.** |
391 | あなとうと てんよりくだるきりすとを いわうはれるやのこえぞいさまし あな尊と 天より降るキリストを 祝ふハレルヤの声ぞいさまし |
S24. 2.** |
392 | きりすとも しゃかもめしやもかんのんも ひとのすがたのかみにぞありける キリストも 釈迦もメシヤも観音も 人の姿の神にぞありける |
S24. 2.** |
393 | こえがたき このうつしよのおおとうげ やすくこえなんかみのあないに 越え難き 此現世の大峠 安く越えなむ神の案内に |
S24. 2.** |
394 | おおいなる かみのちからをみするとも あわれめしいのめにはうつらじ 大いなる 神の力を見するとも 哀れ盲の眼には映らじ |
S24. 2.** ※全集未収録 |
395 | おおかみの ふかきしぐみはもろびとの めにはうつらぬものとしれかし 大神の 深き仕組は諸人の 眼には映らぬものと知れかし |
S24. 2.** |
396 | おおいなる かみのしぐみはいとちさき ひとのまなこになどうつらめや 大いなる 神の仕組はいと小さき 人の眼になど映らめや |
S24. 2.** |
397 | ひかりなり ああひかりなりいかならん こきやみとてもうちはらすなり 光なり 嗚呼光なり如何ならむ 濃き暗とてもうち霽らすなり |
S24. 2.** |
398 | いやはてに てんよりくだるきりすとに よのもろもろはよみがえるらん いやはてに 天より降るキリストに 世のもろもろは甦るらむ |
S24. 2.** |
天国の苑 | ||
399 | てんごくの そののもけいをあしびきの はこねのやまのうえにたてなん 天国の 苑の模型を足曳の 箱根の山の上に立てなむ |
S24. 5.13 |
400 | けしきよき はこねのやまのいただきに われてんごくのそのをつくらん 景色好き 箱根の山の頂に われ天国の苑を造らん |
S24. 5.13 |
401 | おおかみの ふかきしぐみはいとしるく はこねあたみのうえにしらるる 大神の 深き仕組はいとしるく 箱根熱海の上に知らるる |
S24. 5.13 |
402 | おいしげる くさきのやぶをきりひらき はこねのやまにはなぞのつくりぬ 生ひ茂る 草木の薮を切りひらき 箱根の山に花苑つくりぬ |
S24. 5.13 |
403 | かりこもの みだれたるよをうちひらき うましのみよをたてなんとすも 苅菰の 乱れたる世をうち拓き 美しの御代を建てなんとすも |
S24. 5.13 |
○ | ||
404 | のにやまに いろとりどりにさくはなは かみのめぐまうたからにぞある 野に山に 色とりどりに咲く花は 神の恵まう宝にぞある |
S24. 5.** |
405 | うるわしき はなみるごとにおもうかな かみのたくみのたえなるみわざを 美はしき 花見る毎に意ふかな 神のたくみの妙なる御技を |
S24. 5.** |
406 | うるわしき はなにあこがるひとこそは はなにもにたるこころもつなり 美はしき 花に憧る人こそは 花にも似たる心もつなり |
S24. 5.** |
407 | あさなさを いろとりどりにあさがおの さくをしみればなつをわすれぬ 朝なさを 色とりどりに朝顔の 咲くをしみれば夏を忘れぬ |
S24. 5.** |
408 | ひとのよの たのしさしりぬにわにさく つばきひとえだとこにかざりて 人の世の 楽しさ知りぬ庭に咲く 椿一枝床に飾りて |
S24. 5.** |
409 | うきのよも たのしきみよとなりにけり かみのまもりのあるをしりてゆ 憂の世も 楽しき御代となりにけり 神の守りのあるを知りてゆ |
S24. 5.** |
神 の 力 | ||
410 | まことなり ああまことなりこのくにに ほしきはまことのいちじなりけり 誠なり 嗚呼誠なり此国に 欲しきは誠の一字なりけり |
S24. 5.** |
411 | なにごとも おもいにまかせぬうつしよに たよるはかみのちからのみなり 何事も 思ひに委せぬ現世に 頼るは神の力のみなり |
S24. 5.** |
412 | かんのんりき よにあらわれてかりこもの みだれたるよもたださるるならめ 観音力 世に現はれて苅菰の 乱れたる世も正さるるならめ |
S24. 5.** |
413 | めにみえぬ かみのちからのあることを さとらしめんとてわれつとむなり 眼に見えぬ 神の力のある事を 悟らしめむとて吾努むなり |
S24. 5.** |
414 | ふきすさぶ あらしのそとにやすかりぬ かみのころもにつつまるるみの 吹き荒ぶ 嵐の外に安かりぬ 神の衣に包まるる身の |
S24. 5.** |
火の洗礼 | ||
415 | ただかみの おおみこころにかなわんと つとむるひとこそまびとなりけり ただ神の 大御心に適はむと 努むる人こそ真人なりけり |
S24. 5.** |
416 | ひとのつみ とがむるひとこそかみよりの とがめをかかぶるひとにぞありける 人の罪 咎むる人こそ神よりの 尤めを蒙ぶる人にぞありける |
S24. 5.** |
417 | ひとのよの くらくのもとはみなおのが てにつくるなりこころせよみな 人の世の 苦楽の本は皆己が 手に作るなり心せよみな |
S24. 5.** |
418 | もろびとよ こころゆるすなおおいなる かみのさばきのきたらんとするいま 諸人よ 心許すな大いなる 神の審判の来らむとする今 |
S24. 5.** |
419 | かみはなしと いとほこらしげにいうひとの あわてふためくときぞきにける 神は無しと いと誇らしげに言ふ人の あわてふためく時ぞ来にける |
S24. 5.** |
420 | きりすとの となえしさいごのさなきとは かみのれいかによぞきよむなり キリストの 唱えし最後の裁きとは 神の霊火に世ぞ浄むなり |
S24. 5.** |
421 | よのけがれ あらいきよめてあたらしき かみのよたつるさばきのわざかな 世の汚れ 洗ひ浄めて新しき 神の世建つる裁きの業かな |
S24. 5.** |
422 | ひとびとよ くいあらためてよのとうげ やすくこえなんそなえせよかし 人々よ 悔改めて世の峠 安く越えなむ備へせよかし |
S24. 5.** |
423 | しんぱんの ひのきびしさよいかならん まがもひれふしくいあらたむるらん 審判の 日の厳しさよ如何ならむ 曲も鰭伏し悔改むるらむ |
S24. 5.** |
424 | もろびとの まなこをさますかねうてど みみをふさぎてきかんともせず 諸人の 眼を醒す鐘うてど 耳を塞ぎて聞かむともせず |
S24. 5.** |
425 | じょうれいの なもておこなうわがわざは ひのせんれいのことにぞありける 浄霊の 名もて行ふわが業は 火の洗霊の事にぞありける |
S24. 5.** |
救ひの光 | ||
426 | ぬばたまの やみのいろこきよなりとも はらさでおかんかみのひかりに 奴羽玉の 闇の色濃き世なりとも 晴さでおかむ神の光に |
S24. 5.** |
427 | こうみょうの いとうるわしくかがやけど やみにうごめくひとにはみえまじ 光明の いと美はしく輝やけど 暗にうごめく人には見へまじ |
S24. 5.** |
428 | はなはさき とりうたえどもたのしめぬ ひとはみかみにそむけばなりける 花は咲き 鳥歌へども楽しめぬ 人は御神に背けばなりける |
S24. 5.** |
429 | おおいなる すくいのみてをのばすとも すがるよしなきめしいのおおき 大いなる 救の御手を伸すとも すがるよしなき盲の多き |
S24. 5.** ※全集未収録 |
神の仕組 | ||
430 | おおかみの ふかきしぐみはいかならん ひじりといえどしるよしもなき 大神の 深き仕組は如何ならむ 聖といへど知る由もなき |
S24. 5.18 |
431 | ひとのめに なぞうつらむやおおかみの しぐみのふかさはかりしらねば 人の眼に なぞ映らむや大神の 仕組の深さはかりしらねば |
S24. 5.18 |
432 | おんりえど きよめきよみてあたらしき たのしきみよをつくるかむわざ 厭離穢土 清め浄みて新しき 楽しき御代を造る神業 |
S24. 5.18 |
433 | ぶつのよは すみきわまりてためしなき みろくのみよはあれなんとすも 仏の世は すみ極まりて例しなき 弥勒の御代は生れなんとすも |
S24. 5.18 |
434 | よのおわり きつるもしらでらちもなき いさかいごとにふけるあわれさ 世の終り 来つるも知らで埒もなき 争ひ事に耽ける哀れさ |
S24. 5.18 |
435 | はなわらい ももとりうたうてんごくの そのをこのどにうつすかみわざ 花笑ひ 百鳥歌う天国の 苑を此土に移す神業 |
S24. 5.18 |
436 | ながめよき あたみのおくにうるわしき はなのてんごくわれつくらんとすも 眺め好き 熱海の奥に美はしき 花の天国吾造らむとすも |
S24. 5.18 |
437 | あしびきの やまじのかげにささやかな なしらぬはなにもこころひかるる 足曳の 山路の蔭に小やかな 名知らぬ花にも心ひかるる |
S24. 5.18 |
嵐 の 外 | ||
438 | ちりあくた つもりつもりしよをきよむ つよきあらしもふきぞするなり 塵芥 つもり積りし世を浄む 強き嵐も吹きぞするなり |
S24. 5.** |
439 | おおかみの ふかきしぐみはいやはてに ゆめにもおもわぬこといづるらん 大神の 深き仕組はいやはてに 夢にも想はぬこと出づるらん |
S24. 5.** |
440 | いかならん あらしふくとてかみにある みはやすけかりおおみめぐみに 如何ならむ 嵐吹くとて神にある 身は安けかり大御恵に |
S24. 5.** |
441 | あかきあらしも などおそれめやすのかみが えがくめいがのいろとしおもえば 赤き嵐も など恐れめや主の神が 描く名画の色とし思えば |
S24. 5.** |
442 | おおかみは いろとりどりのえのぐもて ちじょうてんごくのめいがえがかん 大神は 色とりどりの絵具もて 地上天国の名画描かむ |
S24. 5.** |
神は十全 | ||
443 | たいぼうの ちじょうてんごくあるるまで あらしもふかんなみもあれなん 待望の 地上天国現るるまで 嵐も吹かむ波も荒れなむ |
S24. 6.17 |
444 | てんごくの うぶごえいまやあげんとし よはじんつうのなやみのなかなり 天国の 産声今や挙げんとし 世は陣痛の悩の中なり |
S24. 6.17 |
445 | みぎひだり あらそうひとなどしらぬがに ききとたのしむかみのみこたち 右左 争ふ人等知らぬがに 嬉々と楽しむ神の御子たち |
S24. 6.17 |
446 | かみあるを しらぬよびとのあさましさ こころのめしいしるよしもなく 神在るを 知らぬ世人のあさましさ 心の盲知るよしもなく |
S24. 6.17 ※全集未収録 |
447 | ひとのちから いかにつよくもくぶくりんの せとぎわにきてくつがえるなり 人の力 如何に強くも九分九厘の 瀬戸際に来て覆るなり |
S24. 6.17 |
448 | ひとのちからは くぶくりんかみのちからはじゅうぜんと しるひとにしてすくわるるなり 人の力は 九分九厘神の力は十全と 知る人にして救はるるなり |
S24. 6.17 |
神 仙 郷 | ||
449 | いちぼくいっそう いっせきなりとこまやかに こころしてなりしんせんきょうかな 一木一草 一石なりとこまやかに 心して成りし神仙郷かな |
S24. 8.18 |
450 | うるわしき はなにかこまれうみやまの ながめあかなきしんせんきょうはも 美はしき 花にかこまれ海山の 眺め飽かなき神仙郷はも |
S24. 8.18 |
451 | だれもまだ ためしとてなきうづのにわ つくりてわれはこころたらいし 誰もまだ 試しとてなき珍の庭 つくりて吾は心足らひし |
S24. 8.18 |
452 | てんねんの ふうちをいかしじんこうの びにいろどりてしんえんなりぬ 天然の 風致を生かし人工の 美に彩りて神苑成りぬ |
S24. 8.18 |
453 | あしびきの はこねのやまのえにひろく はなのてんごくわれつくりけり 足曳の 箱根の山の上に広く 花の天国吾造りけり |
S24. 8.18 |
454 | やまとみず のみなりしはこねやま われはなそえててんごくつくらん 山と水 のみなりし箱根山 われ花そえて天国つくらん |
S24. 8.18 |
455 | つゆのあめ しとしとふりてしんえんの みどりふかまりいとしずかなり 梅雨の雨 しとしと降りて神苑の 緑深まりいと静かなり |
S24. 8.18 |
456 | みはるかす みょうじょうがたけうすぎぬを かかぶれるごとあめにけぶれる 見遥かす 明星ケ嶽薄絹を かかぶれる如雨にけぶれる |
S24. 8.18 |
457 | いわのまに いろとりどりのさつきうえ このよながらのてんごくのその 岩の間に 色とりどりの皐月植え 此世ながらの天国の苑 |
S24. 8.18 |
458 | みるひとの くちをそろえてほめたたう しんせんきょうのてんごくのその 観る人の 口を揃えてほめたたふ 神仙郷の天国の苑 |
S24. 8.18 |
459 | てんごくの そのはかくやとおもおえて われしんせんきょうのなをつけにけり 天国の 苑は斯くやと思ほえて われ神仙郷の名をつけにけり |
S24. 8.18 |
460 | そびえたつ おおいわのえにあおぎみる かんざんていのけだかきすがたよ そびえ立つ 大岩の上に仰ぎ見る 観山亭の崇高き姿よ |
S24. 8.18 |
461 | てんごくと みまがうばかりいわのまに しばくさつづらいももはなさける 天国と 見紛ふばかり岩の間に 芝草つづらひ百花咲ける |
S24. 8.18 |
462 | いときよき たかやまのえのいわのまに はなさきそろいてんごくしのばゆ いと清き 高山の上の巌の間に 花咲きそろひ天国偲ばゆ |
S24. 8.18 |
463 | てんごくの はなにやあらんたかやまの いわおをつづりてさつきさくなり 天国の 花にやあらむ高山の 巌を綴りてさつき咲くなり |
S24. 8.18 |
464 | しんせんきょう いよいよなりてかんれいの めいしょとならんよのしるにつれ 神仙郷 いよいよ成りて函嶺の 名所と成らむ世の知るにつれ |
S24. 8.18 |
465 | かんとうに なだたるはこねのやまのえに われはそえけりうづのめいしょを 関東に 名だたる箱根の山の上に 吾は添えけり珍の名所を |
S24. 8.18 |
最後の日 | ||
466 | ふきすさむ あらしをよそにてんごくを ゆめにえがきつわれはありけり ふきすさむ 嵐をよそに天国を 夢に描きつわれはありけり |
S24. 6.17 |
467 | くぶくりんの よをくつがえすいちりんの ちからはにょいのたまにぞありける 九分九厘の 世を覆えす一厘の 力は如意の玉にぞありける |
S24. 6.17 |
468 | にょいのたま うちふるいなばいかならん あくまといえどおののくなるらん 如意の珠 うち揮ひなば如何ならむ 悪魔といえど戦くなるらむ |
S24. 6.17 |
469 | みちとせを ふかくかくせしにょいのたま よにあらわるるときとなりぬる 三千歳を 深く隠せし如意の珠 世に現はるる時となりぬる |
S24. 6.17 |
470 | かみをちからに まことをつえにつくひとの などかおそれんあかきあらしも 神を力に 誠を杖につく人の などか怖れん赤き嵐も |
S24. 6.17 |
471 | まるくすも れーにんとてもきりすとの まえにひれふすときぞきぬらむ マルクスも レーニンとてもキリストの 前に鰭伏す時ぞ来ぬらむ |
S24. 6.17 |
472 | おおかみが えがくしぐみのえのぐなり いろとりどりのしゅぎてうものは 大神が 描く仕組の絵具なり 色とりどりの主義てうものは |
S24. 6.17 |
473 | さばかるる ひのせまれるをしらずして みよくにふけるひとのあやうき 裁かるる 日の迫れるを知らずして 身欲に耽ける人の危ふき |
S24. 6.17 |
474 | いやはての さばきのにわにうちひかれ くいあらたむるともせんすべなかれ いやはての 裁きの廷に打曳かれ 悔改むるともせんすべなけれ |
S24. 6.17 |
475 | おおいなる さばきのつぎにきたるもの そはかがやけるちじょうてんごく 大いなる 裁きの次に来るもの そは輝ける地上天国 |
S24. 6.17 |
476 | てんごくの ゆめはいつしかまさゆめと なりていましもあれなんとする 天国の 夢はいつしか正夢と なりて今しも現れなむとする |
S24. 6.17 |
477 | いくるひと ほろぶるひとをたてわくる さばきのひこそよのさいごなり 生くる人 滅ぶる人を立別くる 裁きの日こそ世の最後なり |
S24. 6.17 |
478 | よのおわり そらごとなりとみしひとの あわてふためくときぞちかみぬ 世の終り 空事なりとみし人の あはてふためく時ぞ近みぬ |
S24. 6.17 |
479 | ぶつめつと いうもさいごのひというも よのきりかえのときをいうなり 仏滅と いうも最後の日というも 世の切替の秋をいうなり |
S24. 6.17 |
480 | よきひとは よろこびあしきひとくやむ しんぱんのひはせまりきぬらし 善き人は 喜び悪しき人悔む 審判の日は迫り来ぬらし |
S24. 6.17 |
善 と 悪 | ||
481 | おおいなる さちをたまわるみすくいに まなこをとずるひとのあわれさ 大いなる 幸を賜はる御救いに 眼を閉づる人の哀れさ |
S24. 9.20 |
482 | よきものを よしとみあしきをあしとみる まなこはただしきまなこなりけり 善きものを 善とみ悪しきをあしとみる 眼は正しき眼なりけり |
S24. 9.20 |
483 | ぜんあくの けじめもわかぬまなこもつ めしいのはばるよにぞありける 善悪の けぢめも分かぬ眼もつ 盲のはばる世にぞありける |
S24. 9.20 ※全集未収録 |
484 | ひとのめは いつわりえてもかみのみめは いつわりえぬをしるひとのさち 人の眼は 佯り得ても神の御眼は いつはり得ぬを知る人の幸 |
S24. 9.20 |
485 | おろかなる ひととはあくのたねをまき かりとるなやみしらぬひとなる 愚なる 人とは悪の種を播き 刈りとるなやみしらぬ人なる |
S24. 9.20 |
486 | しこびとの ほろぶるときとはなりにける かみのひかりのいよよかがやき 醜人の 滅ぶる時とはなりにける 神の光のいよよ輝き |
S24. 9.20 |
四八六首収録 |